アナタが世界でボクが色。 | ナノ


変化


◇◇◇



それから2ヶ月くらい、ここ聖桜学園で過ごした。当初はどうなるかと思ったけど…なんとかやってます。



5月の転入前


『1年通ってこいよ。そしたら正式に世界各地へ後継者として発表すっから』


そう言った日向さんの約束通りちゃんと通ってる。日向さんって言うのは、日向組現五代目組長さんの事で流君を養子にした人でもあるすっごい人。


流君が次期六代目って言われててもそれは組内だけが知ってる事で、仕事とかはただの凄腕幹部って事でやってたらしいから名前の知名度は広いけど外の人は後継者だって事は知らない。


だから
流君もこの話を断る訳も行かず此処まで来ちゃった訳だけど…


『伊呂波ちゃんにも最後の自由ってやつ、やったらどうよ?お前が六代目って事知られちまったら、おちおちそんなもん与えられねぇんだから──』


日向さんが最後に言ったあの言葉。流君は何も言わなかったけど少しは組取ってくれたって事…なのかな?

確かに学校ってものには行って見たかったけど
自由が欲しいなんて…
流君と逢ってから
思った事なんてないのに──


あ、えーとそう言えば


入った当初
生徒会?の人達と合ったけどそれっきり話しかけて来ない。
擦れ違ったりはするけど。思いっきり避けられてる気がする。また絡まれたら嫌だから良かったぁ。


勉強の方は、…ぅー。…全然分からないけど、ちゃんと授業内容(流君の)ノートに写してるし、日向さんから計算ドリルが届いたりして
なんと!かけ算と割り算も覚えましたっ
あ…でも七の段と八の段はまだつっかえるんだけどね


何より2ヶ月中ずっと
流君と居られたからすっごく嬉しい。
マンションでは、流君の仕事があったからずっとなんて居られなかったし。
ふふ…これなら来て良かったな

そんな事を思って居ると教壇の前に立っていた語学の先生が「で、ではっあと五分程で終わりますのでっ失礼しますネっ!」と、ちらちらこっちを見て早足で出て行ってしまった。これはいつもの事なのでなれました。
一般の先生達はオレと流君が日向組って知らないのになんで怖がってるんだろう?って最初は思ってたけど…前、流君が携帯を没収しようとした先生にキレて黒板壊した事あったしな…それでかなぁ

流君ここに来てから沸点が異常に低くなったような…



というか
何か忘れてるよーな
・・・・・・む?

何気なく視線を下へ移すと
そこは真っ白。


「あ。」


ぼーっとしてて
ノート写してないし!


俺は慌てて、黒板の文字をノートに写しにかかった。



最初の変化は、その夜の事───

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