アナタが世界でボクが色。 | ナノ


13


スーパーで30分程買い物をしたオレと流君は、部屋に戻ろうとエレベーターへ続く人気のない廊下を歩いていた。
因みにちゃんと歩いてます(ここ重要)
携帯と買い物袋を両手に歩く流君にちょっと小走りで並んでいる。


「本当に今日と明日の分だけで良かったの?」


そう聞くと一瞬だけ目線を向けて、また携帯を弄りだした。
…まぁいいのかな。
そんな事を思いながら
今日の夕ご飯の手順について考えようと、買ったものを思い出していると前の方からぼんやりと人が来るのが見える。
少し流君の方に寄った。


「あれー?見ない顔じゃない楓?」


「本当だね見ない顔だね椛っ」


そう言って近付いて来る、すっごく似てる二人はくるくる赤い髪の人の周りを囲んでいる。二人ともショートの明るい茶色の髪を揺らしていた。

双子なのかな?
初めてみたっ!

ちょっと感動してる間に、赤い髪の人がこっちを見てきたからビックリしてバッと視線を下にする。


「誰だコイツら?」


こ、怖そうな人…。


「「格好いいねっ!!」」


口々に言う3人は、オレと流君の前で止まった。
反射的に流君の後ろに隠れる。
流君はいつもみたいに携帯に目を落としながら3人組の横をスルリと通った。
慌ててその後を追いかけるオレ。


「ちょっと!」


だけど、双子さんの1人がまた前に走って来て引き止められた。
何か用なのかな?


「僕達を無視するってどうゆうつもり?!」


もう1人も同じように走って来て口を開いた。


「僕達を誰だと思ってんのっ?!」


「 「生徒会だよ?」」


双子さんが声をキレイにハモらせてそう言った。
えっと…
生徒会ってあれだよね。
行事を仕切る人だよね?あれ?違ったっけ…?

でも、そんな事より
これ以上流君の機嫌が悪くなったらやばいかも。
そう思って
早く部屋に行こう、と促そうと流君の服の袖を引こうとした。


「そういやぁ噂の転入生ってのはお前らの「うぜぇ」」


りゅ、流君?
微かな雰囲気の変化にそっと見上げてみた。だけど、その変化に気付かない赤い髪の人が殴りかかって来そうな勢いで続けようとする。


「はァ?!テメェよくも俺様の言葉を遮りやがったな?良い度胸してんじゃねぇk────」



「流君だめ!」


咄嗟に叫んだ。

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