アナタが世界でボクが色。 | ナノ


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時刻は夜 9:15

ところ変わって今は、一階にあるショッピングモールに来ています。遅い時間なのに人がいっぱいいる。制服の人も私服の人も。やっぱり早く制服着たいなぁーとか思ったり。

…それにしても、屋内だとは思えない広さだ。雑貨屋とか食べ物屋とか美容室とかがいっぱいで凄くキラキラしてるし。

「…すごい」

少し興奮気味に流君の肩口からひょこりと顔を出して周囲を覗く。
だけど少しの違和感……
なんか…すっごく周りの人こっち向いてる気がする。
異様に静かだ。
なっ…何で!?なんかしたっ?もしかしてここに入るのお金いるとかなの?

オレは視線に驚いて、素早く流君の肩口に隠れた。
でも気になるからチラチラと伺う。

…ハッ!
もしかして流君に抱えられてる格好が浮きまくってるとか!?
一抹の不安が過って、慌てて流君の方に顔を向けた。


「りゅ、流君っおr「黙れ」


オレが降ろしてと訴える前に、そうピシャリと言われてしまった。
ので、大人しくしていようと思います…

こんなのばっかだなこの頃。



◇◇◇



数分歩いて着いたのは、
業務用スーパーでした。

なるほど夕ご飯の材料を買いにきたのか。そう気づいたオレは、もう一度「降ろして?」と再度言った。

流君は少し眉ねを寄せたけど今度はちゃんと降ろしてくれた。人も全然いないしオレは初めてのスーパーを堪能しようと目をキラキラ輝かせた。
あ、きちんと材料も買うよ!


「流君流君。向こう行ってみよー」


わぁー!こんなにいっぱいの品物見たことないっ

オレは流君の袖を引っ張って食材探しの旅にでたのでした。

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