あとがき(言いたい放題)

■恋の病と酸性雨 斎宮宗

初めての連載でした!短編で書こうと思ったけど長くなりそうだったので中編にしました。アイドルとして活躍の場を広げる宗くんと、夢を諦めた負い目のあるヒロインのお話。二人は恋仲。結婚はしてないけど同棲はしている。

ヒロインは夢を諦めて自分に自信がないから宗くんに依存してるし、宗くんが自分を見捨てるのが怖い、自分よりも他の人を選ぶんじゃないかと怯えてる。実際宗くんはそんな残酷なことはしない、愛のある人だけど。それが見えないくらいヒロインは焦っているし病んでいます。

宗くんは仕事が忙しくなっているのもあって、ヒロインのそういう感情とかに全然気付いていなかった。宗くんが仕事を頑張れば頑張るほどヒロインは宗くんが遠くなる気がして焦る。でも宗くんは別にヒロインのことを軽蔑する気持ちなんて少しもない。でもヒロインは独りよがりに暴走する。そんなお話。

このお話の後のヒロインは、別にまたモデルになるために頑張ろうなんてことはしないと思う。でも宗くんがこんな自分を愛していることを知ったから、気付いたから、吐くのは止めるし自分に少しずつ自信を持って生きていくのだと思う。
ヒロインにスポットライトを当てるのは、まばゆい光を与えるのは、いつでも宗くん。

タイトルの恋の病はそのまま恋の病で、宗くんのことを必死すぎるくらいに縋り付いていたいヒロインの様子。
酸性雨は、胃酸の混ざった吐瀉物をイメージしてタイトルつけました。雨の描写とか涙の描写もちょっと意識した。

宗くんの台詞、遊び心で同じ台詞を別の時間軸で使い回した。
「僕の作ったドレスは完璧だけれど、どうせなら一番美しく映えさせたいからね」→4話で過去ヒロインに言って、2話で現在共演しているモデルに向けて言った台詞。
「思った通りなのだよ。とても似合っている」→4話で過去ヒロインに言って、8話で現在ヒロインに言う台詞。
ヒロインにとって宗くんの言葉は常に重要で、希望も絶望も簡単に与えられるものというのを、出したかった。

宗くん、やっぱり絶対プロデュースしたお洋服出してほしい。ブランド立ち上げるでもいいけど。そういう話も書きたいなー!

このお話、すごく書きやすかった。自己肯定感低くてメンヘラになりかけてるヒロイン、書きやすい。