カウントダウン | ナノ



プロローグ(3/5)


 
 
 
 
 
「おはようアイリ」

「おはようピーチ!」


教室に入るといたのは私の友達のピーチ。金髪で青い瞳。ピーチは見た目的にもお姫様みたいで家は…まあ、金持ち。でもそんなのは関係ない。私はピーチが好きだ。だから一緒にいる。
ピーチは私の後ろにいるロイに気づき微笑んだ。


「おはようロイさん」

「おはようピーチさん」


こちらも微笑んだ。…いいなぁ、私だってこんな笑顔向けられたいよ。他の女子がロイの存在に気づくと一斉にこちらへ向かってくる。やばい、と思った時には既に遅く私はロイのファンの女子の中に巻き込まれる。


「ロイ様おはようございます!」

「今日もカッコいいです!」

「も、もう、だから逃げようと思ったのに!」

「ふふっ、大丈夫?」


なんとか外に出るとピーチが手を差し伸べてくれて私もそれを掴んで立ち上がる。パッとロイの方を見る。が、女子の量が多すぎてロイの姿が見えない。…まあこれも日常茶飯事なんだけどさ。










昼休みになり、私はピーチと共に屋上へ向かってお昼ご飯を食べていた。本当はロイも誘いたいけど女子が多すぎて誘えないからね。


「それで?ロイさんとは順調なの?」

「ぶぶっ!」

「ちょっと、汚いわよアイリ」

「だ、だって、いきなり、すぎっ…!」


飲んでいた飲み物が変な所に入りむせながら言う。ピーチは私の想いに気づいている。というかかなりわかりやすいんだって。だからロイにバレてないか凄い心配になるんだよね。ロイって鋭いし。


「そりゃあ気になるでしょ?いつも朝起こしに来てもらったりしているのに」

「そ、そうだけど…!」


顔が熱くなる。確かにいつも起こしに来てもらったりしているけど、今日は薄着しているのを見られたなんて絶対言えない…!
なんとか誤魔化せないかと考える。


「…ていうか!ピーチだってどうなったの!?ラブレター渡したの!?」

「こ、声が大きい…!」


思い出して大声で言った事に今度はピーチが顔を赤くする。…ピーチは今日好きな人にラブレターを書き靴箱に入れたのだ。


「い、入れたけど…」

「なら後は返事だね!」

「わ、私の事はいいわ。それよりもアイリの事を聞かせて」

「もー!いいでしょ!」
 
 
 
 
 

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