カウントダウン | ナノ



前編(7/8)


 
 
 
 
 
「はぁ…。今日は災難だな…」

「そうね。本当にどうしたのかしら」

「せっかくのご飯が不味いよ…」

「お前の場合いつも不味いだろ」


昼休み。いつも通りというべきなのか…あ、でもロイが自分から食べようと誘ってきて三人で食べている。ロイの冷静なツッコミにカチンときて私がロイの為に作った弁当を見る。


「そんな事言いながら食べてるくせに!」

「食わないとアイリが泣きわめくだろうが」

「だ、誰が泣きわめくのよ!」

「…でも今日の弁当…昨日より見た目はいい、わね」

「でしょ?昨日時間があったからね!」

「昨日?もしかしてこの弁当って前日に作っているの?」


うん、と頷いた。私は朝早くに起きれないから基本は前日に作っている。私のお母さんは前日に作っても美味しく食べれる弁当だから。だから朝はゆっくり寝れるんだよね。


「…美味しく…ねぇ?…不味いけどな」

「昨日よりはマシでしょ?」

「まあ昨日よりかは多少はマシだ。ピーチさんの方が断然美味そうだけど」

「じゃあ何か食べる?」


ロイはピーチから一つ頂くと口に入れる。すると美味かったのだろう、ニコリと微笑み「美味い」と言った。うわ、こんな笑顔私に向けて欲しい…!


「そ、そうだ!この卵焼きとか食べてみて!自信作!」


昨日何回も卵焼きの中に色々な具を混ぜたりして生み出したこの卵焼き。あのお母さんにも美味しいと言われたんだから。ロイは私の顔を見ると渋々といった感じで口に運んで食べ始めた。
 
 
 
 
 

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