カウントダウン | ナノ



前編(3/8)


 
 
 
 
 
学校に着くとロイの所へ女子が集まっていく。巻き込まれるのは嫌だったから先に教室に向かった。…まあ、少し妬いちゃうけどさ。でもロイが人気なのは仕方がないことだし。


「!ピーチ、おはよ…う?どうしたの?」

「あ…アイリ…」


教室に着くと私は真っ先にピーチの所へ向かう。しかしピーチはいつもなら明るく「おはよう」と言ってくれたのに今日は表情が暗い。と言うより、悩んでいるようだった。


「その、ね…。昨日例の間違えて渡してしまった人と…」

「うん」

「…成り行きで…その人の家に行っちゃったの」

「………え。ええええっ!?」


他の人が見ていようが気にしていられなかった。それ程までに驚いたから。ピーチが「声が大きいわ!」と顔を赤くしながら言っているがこれが驚かないでいられるか。


「襲われたりしなかった!?何もされなかった!?」

「だ、大丈夫よ!だから声のボリュームを落として!」

「なら良かった…。いやまあ良くないけど、とりあえずは…うん…」


もしその男がピーチに何かしていたのなら私は確実にその男を問い詰めて警察いきにしていた。よかった、と心から思う。


「…でも、彼はいい人みたい」

「え、もしかしてピーチ…」

「ち、違うわよ?ただ、悪い人って思っていたから…」


一回その人物を見てみたい。…まあ、ピーチがそれでいいのなら私はとやかく言うつもりは無いけどさ。心配なんだよね…。
 
 
 
 
 

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