「ヒャハハ!これだけ"氣弾"をくらってまだ生きてやがるとは頑丈なガキだぜ!まぁゆっくり天国への階段を昇こった!」

「―――っ!」


見ているだけだった。体が動かなくて。ただイヴちゃんが撃たれるのを見ているだけしかできなかった。倒れているイヴちゃんを見る。血は出ているが気を失ってるだけで死んではいない。大丈夫、生きてる…!
デュラムは私に気づいてないみたいで「さて…あとは…。書き置きを…残しとかなきゃな…!」とニヤリと笑うだけ。だけどバッと振り返って。


「…やっぱりもう一発くらわしておくか…。その方が奴をもっとその気にさせるだろうしな…」


カチャ…と倒れているイヴちゃんに銃口を向けた。…待って、これ以上撃たれたらイヴちゃんが…死んじゃう…!そんなことを思っていても無駄で。再び銃口が光りだす。


「駄目…!」


そこで奇跡的に私の体が動いて…イヴちゃんを守るために抱きしめた。後ろから撃った音がして、背中に氣弾というやつが当たり先程のダメージもあってからか更に血が出る。そしてそこで私の視界は真っ黒に染まった―…。










「イヴ!明!おいしっかりしろ!」


アネットからデュラムの話を聞いてすぐさま走ってアジトに向かったが遅かった。既に明とイヴはやられている。スヴェンが気を失っている明とイヴの体を持ち上げて「ちくしょう!どこのどいつがこんな…」と叫んだ。トレインは壁に書かれている文字を見る。二人の血で綴られている文字を。


「明の方は凄い出血だ…」

「…スヴェン」


イヴを庇った明はイヴよりも遥かに出血が激しかった。トレインはスヴェンに背中を向けたまま名を呼ぶ。声と表情は怒りに満ち溢れていた。


「明とイヴの事は…あんたに任せるぜ…!!」
 
 
 
 
 


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