「…あ、イヴちゃんだ!」
「んー?」
何かを持っているイヴちゃんが私達に気がつく。誰かと話しているように見えたけど…。
「何やってんだ姫っち?」
「電話の実験…」
「はぁ?」
「電話?」
「ほら、携帯電話!スヴェンが使ってた古い奴をもらったの」
わっ!イヴちゃんも持つことになったんだ!メアド教えてもらおう。実は私もトレインさんのお古をもらっている。私の携帯は事故の時に潰れたからか無かったし、やっぱり連絡が出来ないと色々と不便だから。
トレインさんがイヴちゃんの携帯を受け取り、電話の相手…。スヴェンさんと話しだす。
「姫っちがケータイだぁ?何でまた?」
『どうしても欲しいって言うもんだからよ。まあ、今日みたいな事があった時すぐ俺達と連絡がとれた方がいいだろ?』
「そりゃまあ…そうだな」
チラッとイヴちゃんを見るトレインさん。それに対してイヴちゃんは。
「トレインが持ってるのに私だけ持ってないなんて不公平だから…」
ときっぱり言った。な、なんかイヴちゃんからオーラを感じる…。対抗意識ってやつかな…?
『それよりさっさと部屋にあがってこいよ。次の標的の潜伏先割り出さなきゃならねぇ』
「…了解」
ピッと電話を切り私達はスヴェンさんの所に戻るため、今度は三人で歩き出す。
「なぁ姫っち。お前俺の事どう思ってるわけ?」
「"ライバル"」
「ライバル!?」
「…あのな…。言葉の意味わかって言ってんのか」
や、やっぱりそうなんだ。でもこういうのも羨ましいな。
それからスヴェンさんの所に戻り先程まで何があったのかを話した。
「何ぃ!?ルガート=ウォン!?そんな大物を取り逃がしたのか!?しかも二度も!!」
大声でそう言い、驚きのあまりタバコを落とすスヴェンさん。…そ、そんなに大事だったんだ。
「そんな話全然聞いてねぇぞ!?」
「今話したじゃねーか」
「どアホ―――!!」
トレインさんを殴るスヴェンさん。ああ、また殴られて…。
「せっかくの借金返すチャンスを!!」
「黙れ、ずーっと寝てたくせに」
そう言い合い+殴りあっている二人を見て仲がいいなと思って笑ったり、止めた方がいいのかと思って焦ったりしていた。イヴちゃんは携帯を見て嬉しそうに笑った。
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