ホテルの部屋に戻ったらイヴちゃんが帰りが遅かった為心配してくれたのか出迎えてくれて。少しだけ驚いたけど「ありがとう」と言ってイヴちゃんに抱きつく。…トレインさんもイヴちゃんも優しいな…。
トレインさんはドーナツが特徴の服を脱いで袋からゲーム機が入った箱を出し中身を出す。正方形の本体とコントローラー。それから説明書。名前はプレイキューブ。売れ筋のハードだと店には書いてあったっけ。
「トレイン、こーゆーのやった事ある?」
「まっさか!テレビゲームなんざ見るのも初めてだぜ」
「明は?」
「え…。い、一応はした事あるけど…」
戸惑いながら言う私に二人がどうしたのかと見てくる。それを遮る為に私はテレビに線を繋げたりして準備に取り掛かった。準備が終わりディスクを入れ起動させるスイッチを押すとテレビに"NOW LOADING"と出てきた。しばらくすると画面の真ん中に小さいグリンさんと白い猫が出てきた。
『《掃除屋同盟参加希望の皆!僕が作った特性ゲームソフト、"グリンの部屋"にようこそ!早速ゲームの説明をするよ!》』
「…なんじゃこりゃ」
「………」
「グリンさんそっくり…」
小さいグリンさんが説明する。プレイヤー…つまり私達はグリンさんが用意した5つの部屋を順番にクリアーしていけばいいみたい。ゲームジャンルは各部屋の初めに50種類の中からスロットで決めていく。50種類の中から…か。多分一度くらいは苦手なジャンルも出るだろう。
『《全部の部屋をクリアーすると何と!掃除屋同盟の集合場所を教えちゃう!》』
「なるほど。"メッセージを引き出す"ってそーゆー事か」
『《なおコンティニューは5回まで!ゲームオーバーになるとこのディスクの内容は全部消えちゃうから気をつけてね!》』
「えっ!?消えるの!?」
そんなゲーム聞いた事がない。あ、でもこの世界ではこういうのもあるとか…?で、でもそれでも…!と私が考えているとグリンさんがガコンとスロットのレバーを動かした。グルグルと回りピタリと止まって書かれていたのは。
『《それでは最初のステージはー。3Dシューティング!"ナイトメアシティ"!》』
「いっ?」
「シューティング…」
「い…いきなりかよっ!」
扉が現れギイイイイと音を出しながら開いていく。グリンさんが『《ルールはカンタン!》』とまた説明してくれる。このナイトメアシティを徘徊する怪物[モンスター]を40体倒せばクリアー。武器は拳銃。ゲームはプレイヤー視点で進行するらしく、十字キーで画面内を自由に移動できるみたい。
『《撃てる弾丸は12発まで!撃ち切る前にリロードするのを忘れずに!》』
画面がコントローラーのボタンの説明に変わる。ここがこれで…と確認しているとグリンさんが『《では…ゲーム開始》』と言った為、また画面が変わる。画面にはこれが怪物だという敵がいて、左下には自分が後何回コンティニュー出来る回数と12と書かれている弾丸。これは後何発撃てるか、という事だろう。因みに今コントローラーを持っていたのはトレインさん。とりあえずトレインさんが普段装飾銃を扱っているし、やってみるみたいだけど。
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