「守ってくれてありがとうございますぅー!さ、お礼にあつーいキッスを…」
「え…!?」
トレインさんに近づいたどころかトレインさんの首に腕を回し唇を近づけるキョーコさん。それはもう恋愛漫画やドラマとかでよく見るキスシーンの様で。う、嘘…!?
「ちょ、駄目っ…!」
「アホか!」
私が止める前にトレインさんがキョーコさんの頭にチョップをくらわせる。痛かったのか頭をおさえながらキョーコさんはトレインさんから離れた。それを見てよかった、と私は心の中で思ってしまう。
…よかった?そりゃあ確かにいきなりキスされなくてよかったとは思ったけど、私はどうしてこんなに安心しているのだろう。
「ぶー。クロ様はあたしの事嫌いなんですかぁ?」
「嫌いも何も、いきなりすぎるだろ!」
「…まさか!この子が好きなんですかぁっ!?」
この子。そう言いながらキョーコさんが指をさしたのはトレインさんの隣にいた私。多分隣にいたから指を指してきたのだろうけど。
え…と戸惑う私は思わずトレインさんの顔を見る。するとトレインさんもこちらに顔を向けていて目が合った。その瞬間急激に顔が熱くなる。
「は、はぁっ!?明と俺はそんなんじゃねぇよ!」
「そ、そうですよ!私達は仲間でっ…!」
とにかく誤解をとくのに必死でキョーコさんに両手を横に振りながら否定する。
…そんなんじゃない。トレインさんにそう言われて何だか落ち込んでしまう。…そう、だよね。トレインさんは私の事なんて…って何考えてるんだろう。ホントにおかしいよ、私。
(仲間…か)
「…もしかしてスヴェン、この二人って」
「ああ、そういうことだ」
「納得。…二人ともお互いの言葉に落ち込んでどーすんのよ」
スヴェンさんとリンスさんが小声でこんな話をしているなんて知らずに私は落ち込んでいた。…トレインさんまで落ち込んでるなんて思いもしなかったけど。
「あ、そーだー!」
「え、あの!?」
何かを閃いたと合図を出したと同時にキョーコさんは何処かへ行ってしまった。
「…はぁ。ったく、何なんだよ」
「あの…。キョーコさんは…」
「その内戻ってくると思いマス。その前に…少し、話でもしましょう…」
そう言うとシャルデンさんは何故星の使徒を抜け出したのかを話はじめた。
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