04 出会いました。
こんにちは、大阪!はじめまして。私は名前っていうの!よろしくね!
「(…なんて、無理にテンション上げるとか…)」
どんだけ和成のこと引きずってんの、私。もはや病気レベルだ。
ぐっと落ち込む気持ちを鼓舞し、再び駅弁に向き直る。こうなったらやけ食いだと口頬張っていると、隣から笑う声が聞こえてきた。
「…どうも…?」
「おん、」
おん…?おんって何語?
というか、無駄にイケメンなお兄さんですね…。にこにことこちらを眺めるお兄さんの右手に巻かれた包帯を眺めながら、何か話さねばと口を開く。
「……どこに行かれるんですか?」
「おもろいこと言う子やなぁ。この新幹線は大阪行きやで?」
「あぁ、そうでした」
そうだ、この新幹線は大阪行きだった。私は、大阪に行くんだった。
「お前さんも、大阪行くんやろ?観光か?」
「あ、私は観光じゃなくて、進学に来たんです。」
「へー、進学。自分どっから来たん?」
「東京です。高校は四天宝寺高校ってところに行くんですけど、」
知ってます?と首を傾げれば、一瞬ポカンとしたあとにお兄さんはわっと笑った。な、なんだと…!
「こんな偶然もあるんやな。俺、四天宝寺高校二年の白石蔵ノ介や。よろしゅう」
「名字名前です!よろしくってええええ!四天宝寺高校!?」
先輩や!とドヤ顔で言う白石さんに、なんだか波乱の予感です。
お母さん、キセキのみなさん。
超絶イケメンの先輩に出会いました。
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