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告白の詰め合わせ お題


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目と目を合わせて(子臨と静雄)


じぃーと見つめられている。
1分くらい見つめられている。
なんだこいつは
その視線だけで俺を殺そうとしているのか?


「おいイザ、」
「シズちゃん!!」


痺れを切らして口をあけたが遮られた。


「なんだよ」
「オレ…オレ!!」


モジモジしてはいるのだが
目は合ったまま。


「オレ!シズちゃんの事がだいすきなんだ!!」


ああ、なんだ


「そんな事くらい知ってる」


頭を撫でてやれば顔を真っ赤にして抱きついてきた。



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頬を染めながら(新羅とセルティと臨也と子静)


最近のシズちゃんはセルティに夢中だ。
羨ましい事この上ない。
今も頬を染めながらセルティと話をしている。
彼女が何を言っているのかは全く解らないが
シズちゃんの話している内容から想像するに
好きなものについて話しているみたいだ。


「おれいざやのつくるたまごのすき!」
『たまご…かに玉か?』
「ううん。…お、おむらいす?」
『ああ!あれか。見た事あるけど美味しそうだよね』
「いざやがしずおってかいてくれた!」
『良かったね』
「あとあと!ぷりん!」
『静雄はプリン大好きだな』
「うん!いっぱいおいしい!」
『そんなに美味しいのか』
「いざやとたべるともっとおいしい!」
『そうかー…静雄は臨也が大好きなんだな』
「おれいざやだいすき!」


聞いてて恥ずかしくなった俺はテーブルに突っ伏した。
全部俺関係だなんて…ね。
隣でクスクス笑っている闇医者に声をかけられる。


「静雄くんもほっぺた真っ赤だけど
臨也も真っ赤になってるよ」
「…うるさいな」
「熱烈な告白だね」
「…嬉しい」


ぽぷぽぷと頭を撫でられた。
俺を褒める愛おしい声はまだ少し止まりそうにはない。



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対極の言動(臨也と静雄)


「手前なんて大嫌いだ」

「そう」

「しねよばか」

「…あのねぇシズちゃん。そんな事言いながらも抱きついて離れてくれないのは誰?」

「…手前なんてキライだ」


力いっぱい抱きしめる事が出来ないシズちゃんは
緩く背中に腕をまわしているだけで抱きついているとは言えない。
その代わりにぎゅうっと力を入れて抱きしめる。


「俺もシズちゃんなんて大嫌いだよ」


素直になれない二人。



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唇を重ねることで(サイケと津軽)


ちゅ、ちぅ、ちゅう、口を吸われる。
薄っすらと目を開ければ
口を吸っていたサイケと目が合った。


「つがちゃんちゅうの時はちゃんと目瞑っとかないとダメー」
「…サイケも開いてた」
「オレはいいの!」
「なんでだよ?」
「だってだってつがるの全てを見たいから。
キスされてる時の少し困ってる顔も
ほっぺたがだんだん赤くなっていくところとか
ぜぇーんぶ!おれのものなの!」
「ん」


目を瞑れば再び口を吸われる。
自分も口を吸っているサイケが見たいと思うがそんな余裕はないに等しい。


「つがる、だあぁいすき」


俺もだ。と言う代わりにベッドへゆっくりと沈んだ。



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両手を握って(臨也と子静)


ソファーに座っていた俺の股の間に陣取ったシズちゃんは両手で遊び始めた。
と言っても握れるのは指一本だけでにぎにぎとしているだけだ。


「いざやぁ」
「どうしたの?」


背中を俺に預けて指を握りながら見上げてくる。


「おれいざやのてスキ」
「なんで?」
「いっぱいまもってくれた」
「…うん」


キュッと胸が締め付けらる。
シズちゃんの両手を握り、頭の上に顎を乗せた。


「いざや!いたいだろ!」
「うん」
「せぇのびなかったらいざやのせいなんだからな!」
「うん」
「…ふん!」
「シズちゃん」
「…なんだよ」
「一緒に暮らしてくれてありがと」


君は知らないから助けてくれたとしか思っていない。
本当は俺の感情は汚いものしかないのに。
何も知らない君は真っ白で困る。
ニギニギと再び握られた。


「だっておれいざやのことだいすきだもん!」


「俺もだよ、シズちゃん」



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逃がさないからね(臨也と子静)


スヤスヤと人の上で眠るシズちゃんの髪を撫でる。
きっと真実を知ったら君は凄く怒って俺の事なんて嫌いになるんだろうね。
きっときっともう一緒には暮らしてもくれないのだろう。
…大きくなったら可愛い女の子に恋をして付き合ったりしちゃって
俺の元を離れていくのかもしれない。
そうなる前に閉じ込めて誰にも見せないようにしてしまいたい。
自分だけしか知らない、俺にしか反応しないようにしてしまいたい。
なんて汚い事を考えてしまうだめな人間なんだよ。
君が思ってるような良い人じゃないんだゴメンね。


「逃がさないから…絶対」


君を見たあの瞬間から俺の心は君しか居ない



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頼りない紙切れに託して(夢島)


『  さんへ
お手紙書いてみました。
でもこれはあなたに届く事はないのでしょう。
だってあなたの家の住所が解らなくなったからです。
電話番号もメールアドレスも何もかも解らなくなりました。
しかしあなたの顔も声も身体も色も音も全て忘れる事が出来ません。
多分もう少しで忘れるから
だから迎えに来てください。
俺は待ってます。
あなただけを俺は待ってます。
  さんのことを愛してる俺より』



なまえが思い出せないのに愛してるなんて笑われるかな。
それでも愛してる。



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何度も何度も繰り返す(サイケと夢島)


歌っているただただ歌っている。
周りからしてみればそれはだたの雑音にしかなっていないのかもしれないけれど
オレ達は歌っている。
愛しているという言葉を繰り返し繰り返し音にあわせて吐き捨てる。
想いのままに吐き捨てた音は誰にも理解される事がなく消えて行くだけだ。


『愛してるから愛して欲しい』


見えないものを欲しがる癖は同じだ



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引き留めた瞬間に(臨也と静雄)


「シーズーちゃーん!」


声が聞こえたと思えば腕を引っ張られ壁に押し付けられた。


「臨也手前ぇ!!」
「はいはい怒らないでよ」
「うぜぇうぜぇうぜぇ!!」


にっこりと笑っているその顔はどうみても何か企んでいるとしか思えない。


「消えろノミ蟲!!」
「今日はうっかりシズちゃんに報告があります!」
「あ゛ぁ゛!?」


こいつから出てくる言葉なんて碌なモンはない。
さっさと殴り飛ばしてこの場を離れたい。
いや、殴ろう、そうしよう殴っちまえ。
腕を振り上げる。


「どうやらオレはシズちゃんの事が大好きみたいで」
「…とうとう頭もイかれたか可愛そうに」


振り上げた腕を下ろす。
殴ってこれ以上いかれたら少し可愛そうだからだ。


「大好きで大好きで仕方ないから苛めちゃうみたい」


押し退けてその場を去ろうとしたら再び壁に押し付けられ、股の間に脚を入れられた。


「だからいっぱい愛してあげようと思うんだ」


逃げれそうにない。



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今度こそ 今だから(臨也と静雄)


「シズちゃん今だから言うね」


だからしっかり聞いて。
なんて言われて聞かないほど鬼ではない。
ここで暴れたら俺の住む部屋がなくなっちまう。


「今だからは変だな…まぁいいか。
それでさ、俺毎回窓から入ってくるのは理由があるんだよねぇ」


それは初耳だと興味を示す。
何回言っても窓からこんばんは。って入ってくるこいつにも理由があるなんて信じられない。


「…この間玄関から入ろうとしたらお隣さんに変な目で見られたから仕方なく窓から入る事にしたんだ」
「バカか手前」


なんてね。とベッドへと押し倒される。


「本当は、ロミオとジュリエットゴッコがしたかっただけ」


「俺と死んでよシズちゃん」



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