イザショタシズ | ナノ




もふもふふわふわした髪の毛の間から見えるつむじが気になる。
別に他の人間にはそんな気持ちにならないのに
シズちゃんのつむじを見ていたらつつきたくなるのだ。
そんな事を頭の片端で考えながらそんなつむじの持ち主のシズちゃんの帰りを待つ。
今日はお昼食べてすぐに帰ってくるって言ってたし自分もご飯だけでも食べてしまおうと
その考えを一旦頭の中から消して立ち上がり上着に手を通し、財布を持ってコンビニへと向かった。

良いのが何もなかったのでついうっかり露西亜寿司まで足を伸ばしてしまい
一緒に暮らしている彼が帰ってくる前には家に帰っていようと思っていたのだが下校時間はとっくに終わっていた。

「あー…失敗したなぁ…シズちゃん怒ってるかな?」

最初に寄ったコンビニでプリンと牛乳とアイスを買っといてよかったーなんて思いながら
家の玄関を開ける。

「いざや!!」

声と同時にとん!と腰あたりに衝撃が。
顔を下げればそこにはもふもふふわふわな髪の毛の
俺が大事に大事に育ててきたシズちゃんが居た。
いざやぁいざやぁと小さい声で呼びながらぎゅうぎゅうと抱きついてくる。
嗚呼…寂しい思いをさせてしまった。と後悔し、小さな彼をぎゅっと抱きしめごめんねと謝る。

「寂しかったね…ごめん」
「…もうかえってこないのかとおもった」
「ごめんね、さぁ部屋に入ろう?」

ふるふると頭を横に振られてしまう。
いつまでも玄関先で抱き合ってる訳にもいかないので
そのまま抱きかかえて室内へと向かう。
その後はずっと俺の後ろをついて歩き(片足にへばり付いていると言ってもいいだろう)
離れようとはしなかった。
仕方なくお風呂も一緒に入り身体を洗ってあげ、自分は背中を洗ってもらった。
そして今は髪を乾かしてあげているところである。
脚の間に座り込みバニラのカップアイスをおいしそうに食べている彼を見てふと思い出す。
髪を拭いているタオルをどかせばそこには可愛らしいつむじが1つ。
…つつきたいなぁ。そんな事を思う。
アイスに夢中になっている今なら少しつつくくらいならばれないのではないか?
でも鋭いし邪魔したら怒っちゃうだろうし…でもつつきたい・・・
うん、大丈夫だ、きっと大丈夫。そう自分に言い聞かせ

俺は人差し指でつむじをつついたのだ。



つつきたくなる、つむじ





イザヤのばかぁ!せがちぢんじゃう!!のびなかったらせきにんとれよ!!
いたいいたい!ちょ!シズちゃんアイス零してるよ!!
!?…あ…うぅ……
明日も買ってくるからね、泣かないの。
うわー!イザヤのあたまのてっぺんもおしてやる!!
なんで!?別にいいけどさ










- ナノ -