ショタイザシズ | ナノ







急いで帰ればやっぱりと言うべきか、臨也はマンション下で俺を待っていた。
まだ暑い日だと言うのに、家で待っていればいいのに。
臨也は暑さを紛らわす為か壁にぺったりと引っ付いて待っていた。


「ただいま」
「おかえりしずちゃん!!」


しゃがんで声をかければ壁に引っ付いたままニコリと笑顔で迎えてくれた。
汗のせいでしっとりとした髪がでこにへばりついている。
ポケットからハンカチを出し拭いてやればありがとー。と頬へキスをされた。
このマセ餓鬼め!


「シズちゃんかおまっかー!カワイー!!」
「うるせぇ!!」


ニヤニヤしている臨也の前でキスされた頬をゴシゴシと擦れば「ヒドイ!」とぷりぷり怒り出した。
怒っている臨也を無視して階段を上がりだすと慌てて後ろをついてくる。
そして遠慮なく人の指を握る。いつも1本だけ。
そういう所は可愛いと思える。こいつはまだ小さいのだ。
一本だけ握っていた小さな手を離せば不安な顔を見せる。
その小さな手をこいつより大きな俺の手で繋ぎ直せば、嬉しそうに笑った。








「よるごはんなぁーにー?」
「この間、母さんに教えてもらったカレー」
「おにくいっぱい?」
「野菜いっぱい」
「ヤアダァ!!」
「知るか!!」


宿題を終わらせた臨也からの苦情なんて聞く訳ない。
二人だからこの量の半分で大丈夫だと教えてもらったのにその量を作ってしまった。
多分5日くらいカレー地獄になる事間違いなしだ。
母さんの昼ご飯にでもしてもらおうと別の容器に半分くらい移した。
臨也が子供だから甘口だ。
決して俺が辛いのが食べれないからと言う訳ではない。
お皿にご飯とカレーは半分ずつ入れる。
臨也のやつには少し肉を多めに。その代わりに野菜も多くなっているけどきっとばれない。
臨也の座っている前に置いて、自分の分を取りに行く。
自分のカレーには福神漬けを忘れずに乗せる。


「ちょっとシズちゃん!やさいいっぱいなんだけど!!」
「に、肉もいっぱいだろ!」


ばれたけど気にしない。
自分の座る場所にカレーを置いて水を取りに戻ってから座る。
3時間くらい格闘して初めて作ったカレーの味はどうなのだろうか。
美味しいって言ってくれればまぁ良いか。そう思いながら手を合わせた。





いただきまーっす!






ジャガイモどこいったんだ?
とけちゃった?
…そうか
でもおいしいからだいじょうぶだよ!
そっそうか?
にんじんあげるー
ちゃんと食べろ
えぇ〜!
うまいんだろ?
うん!おいしいからたべる!
(だってシズちゃんが作ったものだよ?
おいしくないワケがないじゃない)















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