ショタイザシズ | ナノ









どういう訳か一緒に暮らすことになった。
臨也の家に俺が泊まるという形で。
初めは仕方なくだったが慣れれば普通だった。
ご飯の作り方だとか色々と母親に密かに教えて貰ったり、お菓子の作り方だとかも教えてもらった。
「息子と作るなんて変な感じだわ」と笑った母親は少し嬉しそうだったから良かったと思う。
最初はソファーで寝ていたが、何故だが夜中に起きたら腹の上に臨也が乗っている事が多くて諦めて臨也のベッドで寝る事になった。
風邪をひかれても困るし、夏だと冷房代を浮かす為、冬だと湯たんぽ代わりになるんじゃないかという考えからだ。
あと、抱き枕は必要。未だにぬいぐるみを抱いて寝てるなんて事は家族以外知らない。これは秘密だ。

朝は大体一緒の時間に起きる。
臨也にトイレと顔を洗いに行かせてる間に朝食のパンを2枚焼く。
そして2個のマグカップにはミルクと砂糖を一杯入れてレンジで暖める。
出来上がる前に自分も顔を洗いに行き、顔がボトボトになっている臨也の顔を拭いてやる。
戻ればどちらともピーピー鳴っていて、出来上がりを知らせてくれている。
パンを皿の上に乗せ、バターを塗り、自分の分にはイチゴジャムをべったりと乗せる。
臨也はもうすでに自分の場所へと座っていて、その前に朝食を置く。
両手を合わせて一緒に「いただきます!」と言う。
俺はパンを二つに折って食べるけど
臨也はパンを二つに裂いて耳の部分だけを剥ぎ取り真ん中だけを食べる。


「…みみも食べろよ」
「…やだ」
「おっきくなれねぇぞ」
「…シズちゃんがたべればいいでしょ!」


いつもこんなやり取りを朝にする。
大体臨也は食べない。
90%の確立で食べない。
そしてその耳は俺の腹の中に納まると相場は決まっていた。
食べ終われば自分の分は自分でと食器を流し台へと運ぶ。
洗うのは帰ってきてからだ。
一緒に歯を磨き、もう一度トイレへと行かせている間に制服に着替えて、今日着せる服を考える。
しかし考えてもいいのが思いつかないので自分で選ばせる。これもあいつの為になるしな。
その間に自分もトイレに行き出てきて臨也が決めた服を着させる。
なんで黒ばっか選ぶのか…というか大体黒い服しか持ってない気がする。
今度一緒に買いに行くか。とぼんやり思いながら家を出る時間が来たからランドセルを背負わせ、自分のカバンを持ち、玄関へ。


「靴ちゃんと履けたか?」
「それくらい出来るよ」
「昨日は逆に履いてた奴が偉そうに」
「!!」
「履けたな?じゃあ出るぞー」






いってきまーす!!





今日は何時くらいにかえってくるの?
んー昨日と同じくらいだろ
そっかー…じゃあ下でまってるね
家で待ってろよ
やだよ、おれがいちばんはじめにおかえり!って言うんだから!
…なるべく早く帰ってくるわ
うん!














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