ショタイザシズ | ナノ








「シズちゃん!いっしょにおふろに入ろうよ!!」

嫌だと断ればその瞳には涙が溜まり、自分の服の裾を引っ張りだした。
そんな事しても駄目だぞ、俺は一緒には入らないんだからな!と言う意を込めて睨み付ければ
さっきよりも多くなった涙が溜まりに溜まり流れ出したのだ。

「…しずちゃっと、おふ、ろはいりたいいぃ」

何故泣く、泣きたいのは俺の方だ。
さっきまでキラキラしていた目玉はどこに行ったんだ。
はぁ…と溜息を大きく吐き出し、仕方ねぇなーと立ち上がれば
先程の涙が嘘のように引っ込み、キラキラした目玉に戻り俺の腰に抱きついた。
…はめられた。
しかし男に二言はないので一緒に入ってやる事にした。
相手はただの子供で、何も出来やしないのだ。
服を脱がしてやり(自分ではまだ脱げないらしい、毎回俺が脱がしてやってる)自分も脱いでいれば少し下の方から視線を感じた。

「シズちゃんいいからだしてるねーいいなー」

発言が親父臭い事は気にしてはいけない。
気にしたら負ける。

「うっせぇ、入るぞ」
「うん!」

ガチャリと扉を開け、入れば
イザヤの手にはいつの間に持ってきたのか黄色いあひるのおもちゃがありそれを浴槽へと投げ入れた。
そのまま両腕を上げ、ん!と何かを要請してくる。

「なんだよ、ちゃんと言わないと俺には伝わらないぞ」
「だっこしていれてよーこわい」
「手前…いつも一人で入ってるじゃねーか」
「シズちゃんはしらないんだよ!おれがぷるぷるしながらおふろはいってるなんて!」
「うぜぇ!ほらよ!」

抱き上げ投げ入ればひどいだらんぼーだとかわーぎゃー騒ぎ出したので
これ以上煩くするならばもう一緒には入ってやらないからなと伝えると静かになりあひると遊びだした。
その間に自分は身体も頭も洗ってしまう。
洗い終わればイザヤを浴槽から出して交代だ。とタオルを渡し湯につかる。
あひるを沈めたり弾いたりして遊んでいるフリをしながらゴシゴシと身体を洗っているのを横目で盗み見る。
ちゃんと洗えてるなーなんて見ていれば、バチリと視線が合い、イザヤがニッコリと笑う。
うん、嫌な予感がする。

「シズちゃん」
「嫌だ」
「ねぇシズちゃん」
「嫌だったら嫌だからな」
「ねぇ…シャンプー」
「しねぇぞ」
「シャンプー、してね」
「………」

あひるで遊んでいた手はいつの間にかイザヤに掴まれて引っ張られる。
あーなんでかこいつの顔が嫌に大人っぽく見える。
でもこいつはまだ2年なんだよなぁ…なんてぼんやりと思った。
一緒にお風呂に入った時点でこうなる事くらい少しは頭の中にあったのは確かで、
でもまさか「してね」なんていわれるとは思ってもみなかった。

「ちゃんと目ぇつぶっとけよー入ってもしらねーからな」
「うん!シズちゃん大好き!!」
「うぜぇ!!」




シャンプー、してね






いたいいたいしずちゃんいたい!!
うるせぇ!手前がこんな事させなかったら痛くなかったんだよイザヤくんよぉ
だってあらってほしかったんだもんシズちゃんに!
!?…うぜぇ!うぜぇ!!
いたたたたたシズちゃんのばかー!!














- ナノ -