ショタイザシズ | ナノ







オレンジ色と緑色をしたそれはとてもおいしくない。
特に緑色をしたそれは苦くて苦くて食べれたものではないものだ。
それがどれだけ切り刻まれてご飯と混ざり合っていても苦いと感じてしまう。
ジーっとそのオレンジ色と緑色を見て
目の前に座って同じ料理を食べてる人を見つめた。
彼はおれの視線に気付いているのにこちらを見ない。
見てくれない。
見たらこの後言われる言葉を解っているのだろう。
でも言いたい。
オレは何度も言ったのになんで入れるの?って
いくら大好きなシズちゃんが作ってくれたチャーハンでもやなの!って言いたい。
チラチラとシズちゃんに視線を向ける。
何度かそうしていると食べにくそうにお箸の動きが悪くなる。
あと少し
あと少しで言えるかもしれない。
チラリチラリと見上げる。
バツの悪そうな顔をして顔をあげ口を開いた。

「あのなイザヤ…どれだけ俺を見つめてもニンジンとピーマンはなくならない」
「…知ってる」
「だったら食べろ。じゃねーとずっと小さいままだぞ」
「うっ…」

痛いところをつかれた…でもやっぱりこれだけは無理なんだ。
器用にニンジンとピーマンをよけて米粒を食べる。
シズちゃんからは多分見えない場所にその2つをためていく。
俺が食べれるようにと切り刻まれたそれをせっせと集めてご飯だけを食べた。
彼を見ればもう食べ終わったようでお茶を飲んでいる。

「ねぇシズちゃん」
「なんだ?ちゃんと食べたのか?」

ううん。と首を横に振り、スプーンでオレンジと緑を掬い上げ彼の口元まで持っていく。

「はい、あーんして?俺のニンジンとピーマン、食べて」

お願い。と首をコテンと傾げると彼は呆れたようにため息を吐き
今回だけだぞと口をあけてくれた。

「あーん」
「あ〜」

ぱくりと一気に食べたシズちゃんににっこり笑って御礼を言う。

「ありがと!大好きしずちゃん!!」

なんだかんだ言い彼はおれに弱い。ってね。





ニンジンとピーマン、食べて



まぁ次はピーマンの肉づめと
ニンジンのグラッセな。

シズちゃんのばかー!!












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