イザシズ | ナノ




二人ともショタです。








お隣にすんでいるシズちゃんの家族と一緒にご飯を食べに行く事がある。
家族と言ってもお昼に行くのでお父さんは居ない。
大体話している内容は毎回同じで、お父さんに対する不満だとかおばあちゃんに対する不満だとかで
ついて行っているだけの俺にはつまらないだけだ。
きゃあきゃあいいながらあれこれと言いあっている親をちょっと煩いなぁなんて思いながら
目の前に座っているシズちゃんを見れば、どうやらシズちゃんもつまらないみたいで
飲んでいたオレンジジュースにストローでふぅっとしてブクブクとさせていた。
そんなシズちゃんを見て何故か思い出した。
ここのお店には小さい子なら遊んでいい遊具がある事に。
そこで遊んでいれば今よりはましになるのではないかと考えた。
シズちゃんに気づいてもらおうとテーブルの下で足を伸ばしシズちゃんの足をチョンチョンと蹴った。
そうしたらブクブクをやめてこちらを見たのでニッコリと笑い、親達に伝える。


「おれシズちゃんとあそんでくるからかえるときにはよんでね!」
「え?え?」
「いこーシズちゃん!!」


了承を得る前に椅子から下りてシズちゃんに手を伸ばす。
シズちゃんは一度お母さんの方を見たのだがお母さんは「いってらっしゃい」と一言告げるとまた俺のお母さんと話し出した。
戸惑い勝ちに俺の手を握ってきたので離れないようにとギュッと手を握ればシズちゃんのほっぺたが赤くなった気がした。


「いざや」
「なぁに?」
「あそぶの?」
「うん。だってつまらないもん」


着いたよーと手を離して自分の靴を脱げばシズちゃんもつられて靴を脱いだ。
そこには俺とシズちゃんしか居なくて遊びたい放題だね!と笑えばそうだな!と嬉しそうだった。
その遊具は周りには網で囲われていて小さな入り口が1つと中には小さめのボール、ビニールで出来た滑り台とかがある。
小さなボールを投げあったり滑り台を上ってみたりして遊んでいたけど疲れちゃったので外からは見えない場所で休む事にした。
誰も居ないからと二人で寝転がればいっぱいのボールがお布団のようになった。
少しの間そのままで寝てたけどシズちゃんに触りたくなった俺は寝転がっているシズちゃんの上に跨った。


「シズちゃん」
「なんだ?」
「アレして?」
「…ここで?」
「うん」
「……はずかしいだ、ろ…」


アレと言うのは俺とシズちゃんだけの秘密で、口と口をくっつける事だ。
お父さんとお母さんがしていたのでどうしてするの?と聞いたら好きだからするんだよ。と言われたから俺もシズちゃんとしたいと思った。
最初はいきなりしちゃってビックリされたからしたい時はちゃんと聞く事にしている。
でもシズちゃんはとても恥ずかしがりやさんだから聞いても良いよってなかなか言ってくれない。


「だっておれシズちゃんがだいすきなんだもん」
「う…おれもす、きだけど」
「じゃあして?」
「でも…」
「んー…あ!じゃあシズちゃんそのままめぇつぶっててね!」
「え?あ、うん…」


でも嫌がってる訳じゃないから俺からする。
ぷにぷにとしているシズちゃんの口に自分の口を重ねれば小さく「ん」と声が聞こえた。
この行為をしていたらどんどんシズちゃんの事が好きになってなんでか泣きたくなる。
ペロリと唇を舐めてから口を離せば息を止めていたシズちゃんがぷはっと息をしだす。
シズちゃんの上から退いて見下ろせば、苦しかったのか涙目なシズちゃんがいて、俺も何故か泣きたくなっていたので涙目だ。


「いざやいやだった?」
「ううん、うれしいよ」
「なかないで」
「うれしくてなみだがでるんだよ」
「うん」
「シズちゃんがだいすきでしかたないんだ」
「おれも」


身体を起こしたシズちゃんが俺の口に口をつけた。
ぎゅぅっと抱き合って、顔を見合わせてくすくすと笑いあう。

「おれもだいすきだ」
「…うれしい」
「ひみつだからな」
「ひみつだね」
「ぜったいだぞ!」
「うん」


遠くから俺達を呼ぶ声がしたので返事をして遊び場から出る。
シズちゃんの手を握って。
家に着くまでずっとずっと繋いでいた。






ちいさなひみつ





またしようね!シズちゃん
…ばれないようにな
ふたりだけのひみつ
そうふたりだけのひみつ




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