イザシズ | ナノ





場所は池袋。
仕事帰りに軽い足取りで露西亜寿司へと向かっていたのだが思わぬところで邪魔が入った。
それはまぁいつも通りと言うべきか、池袋に行けば大体見つけられてしまう。
それが嬉しいだとか楽しいだとか思っているのかもしれないが彼はその気持ちに知らぬフリを決め込む。
その気持ちに素直になれば今の関係が崩れるからだ。
その気持ちに素直になれる時は部屋で独りきりになった時だけである。
まぁそんな事はどうでもいいのだ。
今、彼の前に立ちはだかるは平和島静雄である。
その静雄が標識を飛ばそうと大きく身体を反らせたその隙を突いて臨也はポケットからナイフを出し静雄の懐に入りこんで切り付けて後ろへと下がった。
その動きは一瞬のうちで良く解らなかったのだが静雄が着ている服は無数の切り跡が出来ていた。
いつもなら切られた彼は激怒し、ビル一つくらい壊す勢いで切り裂いた彼へと猛攻撃をするのだが今日は違った。
切り裂かれた場所が悪かった。
切り裂いた本人が驚くくらい場所が悪かった。
彼の穿いていたスラックスがストーン!と落ちたのだ。
その光景に切り裂いた本人が目を丸くして見つめていて
切り裂かれた彼は恥かしさのあまりになのか、何故か顔を真っ赤にしながら両手で顔を隠している。
隠す場所が違うだろうという突っ込みは誰も出来なかった。
いや、してはいけないのだろう。
下半身がパンツ一丁な池袋最強に誰が話しかけられるのか。
話しかけられるとしたらそれは上司か露西亜寿司のサイモン、彼の目の前に居る臨也だけだろう。
臨也はぷるぷると震えだした静雄に少し申し訳なさそうに声をかける。


「し、シズちゃん…可愛らしいぱんつ穿いてるね…りらっくまなんて…」
「!?」
「…良いんじゃないかな?似合ってるよ…似合ってる…似合ってるよ!!かわいいシズちゃん!!!ぱんつりらっくま!!!!!!」
「ーー〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!!!しねえぇぇぇぇえええぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!」


いつもなら冷静に逃げるか笑いながら馬鹿にする臨也だが予想外の展開に焦った。
焦ったあまりに大声でぱんつ!と叫んでしまったのだがそれがいけなかった。
静雄はぱんつ一丁にも関わらず臨也を殴ろうと詰め寄り腕を振り上げたのだが
耳元で「ぱんつ丸見え」と言われその場に座り込む。


「手前っ!」
「うん、なんかごめんねぇ…ぱんつカワイイよ」
「嬉しくねぇ!!」
「仕方ないなぁ…これ使って」


そう言いながら臨也がいつも羽織っているコートを静雄に渡した。
渡されたコートをぱんつが見えないようにと立ち上がり腰へ巻きつけたのだがやっぱりぱんつは完璧に隠れる事はなかった。


「ぱんつ…」
「ぱんつ見えてるね…」
「手前のせいだ!」
「うん。ご馳走様」
「しね!!」
「ヤだよ」
「くそっ…まだ仕事が残ってるのに」
「ふーん。…じゃ、俺帰るからね」


遠くから静雄を呼ぶ声が聞こえた臨也はバイバイと手を振ってその場から去っていった。
彼の上司は見たくないのだ。
嬉しそうに話しかける静雄に腹が立つからである。
だからその場から立ち去ったのだ。
露西亜寿司を求めて。







意外と可愛いソレ









シズちゃんのぱんつ日記でも書こうかなー
あはっ!楽しそうだなぁ!!








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なんかごめんなさい






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