おまけ
───────────────
｢あ､ﾁｮｺﾚｰﾄ食べますか？｣
彼女はﾁｮｺﾚｰﾄを唇に挟んで差し出してきた｡
さすがにこれは苛めかとさえ思ってしまう｡
｢…いや､結構です｡｣
僕はひきつった顔で拒絶した｡
不細工な顔ですね､と彼女は笑ったが それには不思議と苛つかなかった｡
すると彼女はいきなり僕の胸倉を掴み､僕の咥内にﾁｮｺﾚｰﾄを捩じ込んだ｡
｢･･･んｯ!??｣
完全に僕の咥内にﾁｮｺﾚｰﾄを捩じ込むと彼女は口を離した｡
｢どうですか？…美味しいでしょう？｣
甘い甘い甘すぎるﾁｮｺﾚｰﾄを必死に飲み込み､少し彼女を睨み付けた｡
すると彼女はﾆｺ､と笑顔を見せた｡
口の中がﾁｮｺﾚｰﾄの余韻に浸るように甘くなる｡
うぇ､と僕はわざとらしく舌を出して顔を歪ませた｡
そして一言､
｢…すごく､甘すぎます｣
とりあえず､僕が正しいと思う事が正義なら
僕の正義は｢ﾁｮｺﾚｰﾄ撲滅｣なのであろう｡
end