多分、自分を信じろ
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その言葉にええ、と彼女は微笑み 僕の髪にくしゃりと触れた。
僕がどこが、という顔をすると
間抜け面ですねとからかってきた。
「自分を信じろと言いたいんですよ、多分」
「多分、ですか」
僕はため息を1つつき、クスクスと笑う彼女を眺めた。
彼女は僕を励ましてくれているのだろう。
少なくともそう僕は思うことにした。
遠くに輝く夕日をまた、見上げた。
彼女も同様に、静かに見上げていた。
キラキラと輝く彼女の黒髪がとても眩しく見え、僕は目を細めた。
そして僕は 今までの彼女の言葉を思い出し、考えた。
沈みかけた夕日をバックに、僕はゆっくり考えていた。
僕の世界とは
僕の友人とは
僕の存在とは
僕の正義とは、と。