貴方の正義
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「正義なんて、誰かが決めた戯言に過ぎません。
誰かがそれを正義だと言うならば
それはその人の正義なのです。
貴方の正義は貴方が決める
それこそが正義なのだと私は思います。」
言い終わると彼女は僕の体に回していた腕を離し、僕の頬にキスをした。
「私は貴方に従う、これは私の正義です。」
にこりと笑って言う彼女に僕は赤面して顔を背けた。
彼女は正しいと思う。
たとえば ヒーロー映画。
「正義のヒーロー」は「悪者」を倒していくのが当たり前だが
その「悪者」にとっては
「正義のヒーロー」を倒す事が正義なんだろう。
頬に手を当て、僕は少し考え込んで彼女に問いかけた。
「…正義と僕と友人のことが何か関係あるのか?」