所詮こんなもの
───────────────
派手な世界は嫌いだ、そう突き返した僕に
友人は冷やかな目をしてみせた。
ああ、所詮こういう奴だよな
と思った。
僕の世界を理解してくれない
彼(友人)には 僕の友達になる資格はない
そうやって いつもいつも
閉ざしてきた。
「僕は、あれでよかったのでしょうかねぇ」
夕日に顔を向けたまま目を瞑り、彼女に問うた。
彼女はコツ、と靴音を鳴らし、陰を蠢かせて応えた。
「私は、貴方が正しいと思ったらそれが正義なのだと思いますよ」
貴方の世界なのですから。
そう言って彼女は僕を抱き締めた。
そのとき一瞬でココアの香りが強くなり、吐き気さえ覚えたがそれを僕は堪えた。
それから彼女は言葉を綴った。