それは
おとぎ話みたいな出会い。
―――――…
「―…ぇ」
「…叶依!!」
「…はいっ?;」
ロンドンのとある郊外に佇むちょっと有名なケーキ屋さん。
そこに【黒の教団】所属のエクソシストであり
このお話の主人公でもある【満月 叶依】は
幼馴染みの【吉岡 楸】と【李陰】と休息をとっていた。
「ったく…何ぼーっとしちゃってんのよ」
「うは、私ぼーっとしてたんか…」
「自分で気付かんのかいな…馬鹿」
「まあまあ…おいしそーなケーキでも食べなされよ」
「話そらさないのっ」
話を反らそうとしてた叶依に楸はでこぴんを一発喰らわせた。
叶依は「あたっ。」とそこまで痛くは無さそうにおでこを擦りながらミルクティーを啜った。
一人ぽつんとそっぽを向いていた李陰がふと時計に目をやると
短い針はもうすぐ3を指そうとしていた。
すると何かを思い出したように立ち上がり、
「帰ろう、もう3時だ。」
と余ったケーキを包み包み言った。
8時頃から訪れていたからもう7時間もケーキ屋に滞在していた。
やべ、テナルアに怒られる。と呟いた叶依は食べていたケーキをそそくさと包みバックに押し込んだ。