朝、カーテンから差し込む日の光がまぶしくて、身をよじる。
ちゅんちゅんという小鳥のさえずり。あぁ、今日も爽やかな朝なのだろう。
起きなきゃ。
覚醒しきれていない頭で、なんとか重たい瞼を開ける。
見たことのない、金髪の外人さんが目の前で眠っていました。
「…………!!!???」
飛び起きた。そのはずみでベッドから勢いよく落ちた。お、お尻思いっきり打った…。すっげぇ痛い…。
「ん……」
びくっ!
お、起きるのか?起きるのか…!?
ドキドキしながら未だベッドの上で眠る外人さんを見る。けれど外人さんは少し身を捩っただけで、起きる気配を見せなかった。
(び、びっくりした……)
……待て待て。なぜ私がびくびくする必要がある。ここは私の家で私の部屋だ。ぐるりと部屋を見渡して確認する。まごうことなき、見慣れた自分の部屋だ。私がここに居るのは当たり前なんだ。
じゃあこの人はなんなんだ。
…オーケー。ちょっと落ち着いて振り返ってみようか。昨日は普通に朝起きて大学に行って講義を受けて、夕方からバイトがあって、家に帰ったのは日が変わる直前だった。そのあとお風呂に入って、普通にベッドに入った。
うん、なにも変わったところなんてない。
どこかに寄り道した記憶も、お酒を飲んだ記憶も、呑まれた記憶も、ない。
だからありがちな『お酒に呑まれて知らない人と一夜の過ちを犯しちゃったゼ☆』なんてことはあり得ない。そもそも私お酒そんな好きじゃないし。
……じゃあこの人はなんなんだ。
わたしにこんな外人のお兄さん(しかも良く見るとものすごく美形)の知り合いなんていない。記憶の片隅にもない。というかこんな美形な人忘れるわけがない。
…………ほんとなんなのこの人。
なんで普通に私のベッドで寝てんの?なんなのマジで。
じぃ、と外人さんを観察する。見れば見るほど美形さんだった。髪の毛はなんか、変な癖なのか知らないけどちょっとだけ独特で、でも前髪とかは凄くサラサラで、綺麗な金色の髪が朝日に反射してキラキラしてる。むしろオーラがキラキラしてる。これがイケメンオーラってやつか。外人さんパネェ。
しかもなんか、ちょっと崩してるけど、スーツを着たまま眠ってる。一般庶民の私でもわかるような高級感溢れるそれ。これ皺になるんじゃね?もったいな!
「……ん」
ぱちり、と。閉じられていた目が開いて、目が、合った。
とても綺麗な、夕焼け色の、め。
「……Chi è?」
すいません日本語でお願いします。