※本誌読後の妄想だったり。本誌予告から予想したり。短いので、全部一個にまとめた。すんまそん



雷鳴轟く!
愛する資格
誇り高きクソガキどもへ
手をつなごう










雷鳴轟く!



「残るはうぬ一人か」

ハデスのけた違いの魔力に、ナツの身体は震えが止まらない。状況を把握する余裕もなく、仲間が消えてしまった。試験でギルダーツと対峙した時とは違う、今ナツの中には恐怖以外の感情がない。
ナツは力が抜けたように膝をついた。

「喝!!!」

周囲の空気が重く震え、それはハデスの声と共に広がり、ナツへと向かう。

「ッ!」

仲間たちが消された瞬間が脳裏に蘇る。
覚悟に固く目を閉じるナツだが、予想した衝撃は訪れなかった。

「間に合ったか」

体の浮遊感と共に耳元に響く低い声。
ナツはゆっくりと目を開いた。

「……サス」

掠れた声で名を紡ぐ。
ナツの目には、変わることのない金髪が映っていた。会いたいと焦がれてやまなかった姿。
ナツはラクサスに抱えられていた。ハデスによって消されなかったのは、ラクサスが庇ったからだったのだ。
ラクサスは、ナツを腕の中に収めながらも、ハデスから視線をそらすことはない。

「ラクサス……っ」

ナツの呼びかけに答えるように、ラクサスはナツを抱き締める力を強めた。

「ラクサス?」

ハデスはラクサスの姿を眺め、口元に笑みを浮かべる。

「なるほど、マカロフの若き頃に似ておる」



20110720















愛する資格



立ち上がったリサーナは、溜め息をつくと、座ったままのラクサスに指をさした。

「ラクサス、何で私がいない二年間でこんなことになってるの」

リサーナの言いたい事を察して、ラクサスは目をそらす。

「あれだけ、ギルダーツには気をつけてって言ったじゃない。ナツはファザコンっぽいところがあるんだからって……今も二人っきりで釣りしてるし、このままじゃ取られちゃうよ?」

「あいつが帰ってくるなんて思わねぇだろ」

舌打ちをもらすラクサスに、リサーナは眉を吊り上げた。

「もうっグレイとも距離が近くなってるし、同じ滅竜魔導士のガジルもいるし。私がいなかったら全然だめじゃない」

リサーナの言葉がラクサスの胸にざっくりと突き刺さる。
はらはらと見守っていた雷神衆に、リサーナが振り返る。

「雷神衆も協力して。ナツを取り戻すの!」

有無を言わさないリサーナの声に、雷神衆も従わざるを得ないのだった。

「でも、遠距離も悪くなかったのかな」

ラクサスが戻って来てからのナツの様子を思い出して、リサーナはくすりと笑みを浮かべたのだった。



20110921















誇り高きクソガキどもへ



空を覆う闇、それは黒い竜だった。

「こいつが、ギルダーツが会った竜なのか?」

黒竜が放つ空気は重く、まるで生気を吸い取られているようだ。誰もが身動きできずに、黒竜を見上げる中、マカロフが前へ出た。

「お前らは、ワシの誇りじゃ」

鼓膜を震わせる、囁く言葉。それと同時に、マカロフの身体は巨大化した。
ナツ達を守る様に竜に立ちはだかる。

「じっちゃん、何してんだ」

声を震わせるナツ。ギルダーツが慌ててマカロフへと駆け寄る。マカロフが、何をしようとしているのか、分かったからだ。

「マスター!そいつは……」

「分かっておる。この場にいる誰も、これには敵わん」

ギルダーツが身にしみて分かっている、黒竜は人類の敵であり、今この場にいる全員の命を奪うつもりだ。

「ジジィ!」

マカロフは小さく振り返ってラクサスを見下ろす。その姿を目に止めるように見つめ、目を細めた。

「お前も破門中に色々見てきたようじゃな……今のお前になら任せても平気じゃろう」

「あんた、何言って……」

「後の事は頼んだぞ、ラクサス」

黒竜から発せられる重い魔力が膨れ上がる。マカロフはそれを防ぐために、残り少ない魔力の全てを全身に集中させた。

「じっちゃん!」

「マスター!」

「ジジィー!!!!」

悲痛な叫び声が響く中、光と闇がぶつかり合った。




「そろそろ試験も終わるころか」

ギルド内は、特に騒がしくしている者たちが受験者のせいか、常よりも活気が失われていた。

「誰が合格すんだろうな」

酒を交わしながら、受験者の名を上げていく。ギルド内では、誰が合格して帰ってくるかの賭けが行われていた。
己が賭けにあてた人物たちを語る面々。そんなギルド内に強い風が吹き込んだ。
突風ともとれる強い風はギルド全体を徘徊するように舞い、外へと抜けていった。




「若い頃からあんたは変わらないね、マカロフ……」

天を仰ぐポーリュシカの瞳から涙が零れる。

「本当にバカなんだから」



20110921















手をつなごう



己の中の魔力だけではない、繋いでいる手から、仲間の魔力を感じる。一人でも欠けてはいけない、全員でギルドへと帰るのだ。
ナツは、両隣りにいるエルザとルーシィの手を握る力を強めた。前に視線を向ければ、輪の中にいるラクサスの姿。
じっと見つめるナツの視線に気づいたラクサスが、マカロフに向けていた目をナツへと移した。視線が絡み、ラクサスは口元に笑みを浮かべる。

大丈夫だ。

唇の動きで伝えるラクサスに、ナツの表情も緩む。天には黒竜の強大な魔力があるというのに、不安など沸きはしなかった。

グレ「ナツ!どこ見てんだよ、俺はこっちだ!」

ルー「ラクナツktkr」

ジュ「ぐ、グレイ様と手が…」

レビ「ルーちゃん、帰ったら小説だね☆」

エル「お、お前たち、集中しろ!来るぞ!」

絶体絶命だろうが自由すぎる人たち。



20111010


本誌様には一喜一憂させられた


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