コブナツ7日間「1日目」





その日、ナツはギルドからの帰路の途中だった。しかし、家に向かっていた足は、途中で方向を変え、隣町へと繋がっている山道へと踏み入った。

「何か、知ってる匂いがすんだよな」

周囲を見渡しながら歩みを進めていたナツは、前方に不自然な塊を見つけて、慌てて駆け寄った。
不自然な塊は人で、倒れていたのだ。近づいていく内に、倒れている人の正体が明らかになった。

「おい、大丈夫か……て、こいつ!」

ナツは、倒れている者の顔を確認して、顔を引きつらせた。

「コブラ!」

六魔将軍は評議会の軍によって全員捕らえられたはずだ。何故ここにいるのか。
ナツは、意識のないコブラの胸ぐらを掴み上げた。

「起きろ、こら!何でお前がここにいんだよ!」

激しく揺さぶれば、コブラは小さくうめき声を上げて、目を開いた。

「ぁ……ぐっ!」

コブラは苦しそうに顔をしかめた。
よく見ればコブラの体を傷だらけで、まるでナツと戦った時のままのようだ。
睨み付けるナツに、コブラは荒い呼吸を繰り返しながら、言葉を吐き出す。

「おまえ、か」

「あァ?!」

「ずっと、綺麗な声が聞こえ……それを辿って……」

コブラの様子が妙だ。
顔をしかめるナツに、コブラは、震える手でナツの手を掴んだ。

「俺は誰だ……ずっと、頭の中に声が響いて……」

コブラの瞳から涙がこぼれた。

「色んな声が、聞こえてくるんだ」

コブラの声は次第に小さくなり、ナツの手を掴む手の力も弱まっていく。

「あ、おい!」

力が抜けていくコブラの体を、ナツが慌てて抱える。
それに、コブラは眩しそうに目を細めた。

「やっぱ、綺麗な声、だ……」

「おい!コブラ!」

コブラの体から、完全に力が抜けてしまった。
ナツはコブラの口に手を当ててた。ぐったりとはしているが、手のひらに当たる微かな息が、命があると教えている。
しかし、怪我に加え酷く疲労しているのは明白で、そんな状態で冬の迫る山にいれば命は危うい。

「、くそっ」

ナツはコブラを背負うと、自宅に向かって走り始めた。




20110201

それから同居が始まる。ハッピーは猫'sで仕事です。何でも猫の手を借りたいという依頼がありまして。
「そういう意味じゃないから、それ」
突っ込むルーシィを軽くスルーし、ハッピーとシャルルとリリーは仕事に出たのだった。
ちなみに仕事はレストランの接客。従業員が風邪で全滅したらしい。
最終的に、猫の接客が話題になり、猫カフェとして繁盛した。特にリリーは戦闘モードに入れるので悪い客を排除したりで大活躍です。
という、ナツとコブラの1週間の話。



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