馬鹿な子程可愛い【N/忍/サスケ+ナルト+シカマル+キバ/完】 | ナノ

現パロ
小学生で仲良し四人組









馬鹿







「うおっ」

小学生らしい甲高い声が響き渡る。何事かとナルトは、声を荒げたキバの方へと駆け寄った。走っていくナルトに、サスケとシカマルは顔を見合わせた。どうせくだらないことだろうな、なんて目で語り合って。

「うっひょお!」

次に聞こえたナルトの興奮した声。やべー!だの、すげー!だの聞こえてきちゃ気にならないはずがない。

悔しいが好奇心に負けシカマルとサスケは早足で興奮する友人の方へと距離を縮めていった。

「…………お前等何して」

呆れたようにそう言ったシカマルの瞳に映ったのは雨に濡れたり、人に踏まれたりしたのか、くしゃくしゃになった俗にいうエロ本というものだった。

うっわ、やっべ、どうするよ。なんて騒ぐキバとナルトにシカマルは呆れたように溜息をはくしか出来なかった。まぁ、サスケに至っては顔が真っ赤だったのだが。

「……ななな、なな」

「あ?サスケってば顔真っ赤だってばよ」

「!……あ、赤くなんかねぇ!」

「もしかして見たいのか?」

「見たくなんかねぇ!!」

ヒュー!

キバが茶化すように口笛をふく。ああ、見てられないと言ったようにシカマルは苦笑する。あわあわと動揺するサスケを利用して、結局お前等が見たいだけだろうが、と心の中で毒づいて。からかわれたサスケの瞳はみるみる内に涙をためいく。助けてやりたいが面倒くさい、とシカマルは面倒くささに負け友人を見捨てることにした。

「でもこの表紙の姉ちゃんさぁ…」

「うん」

「ブッ…胸にスイカでも入れてんじゃねぇの!」

「ギャハハ!絶対そうだってば!」

実にくだらない。
流石小学生とでも言うべきであろうか。くだらないことで喜ぶこの年頃の者は箸が転げても笑う年頃、に他ならないだろう。

うえー、なんだよー、等と言いながら足で雑誌のページをめくっていく。
ページをめくる度、際どい水着を着た女の人がこれまた際どいポーズで写っていた。邪険に扱いながらもナルトとキバの瞳には、明らかに興味の色がともっていた。

シカマルは別世界へ逃げ込むかのように空を見上げ、サスケはもう帰ろう、と弱々しくナルトの服を引っ張り、馬鹿な二人組、ナルトとキバはエロ本を足でめくっていく。

そんな、学校の帰り道。





----------PS.

皆が仲良しなのは可愛いです。
サスケがヘタレなのは仕様です。