もしもシリ〜ズ【N/国/完】 | ナノ


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もしもヘタリアで童話パロをしたら

―赤ずきんの場合―




「ドゥルッフ〜!菊が外に出て来ないらしいから、ヒーローの俺が外に連れ出してやるんだぞ!」

赤いずきんを被った少年、アルフレッド・F・ジョーンズは、家に引きこもりっぱなしのお爺さん、本田菊の家に向かう途中でありました。
片手には、バスケットを抱えており、その中にはこの世のものとは思えない色の食べ物じゃない食べ物が入っていました。

アルが菊の家に行くには、森の中を通っていかなければなりませんでした。
しかし、その森には変態が出ると言われていました。ところが自称ヒーローの赤ずきんは気にすることなく、この森を通っていました。

「おっ可愛くね?あいつ可愛い顔してるじゃんか。最近この森誰も通らなかったんだよなあ。だからお兄さん溜まって溜まって…ハァハァ…よし、こっそりあいつについて行って、その後食べちまおう…」

そう言って息を荒くするのは狼(=変態)でした。詳しく言えば髭が生えたワインで薔薇な変態でした。
無邪気なアルはただ楽しそうにスキップしながらお爺ちゃん家へと向かっていました。





そんな話を風の噂で聞き付けたのは、狩人のアーサー・カークランドでした。

「赤ずきん!?それは俺の生き別れた弟だ!ああ、あそこの森の狼と言えばあのワイン野郎じゃねぇか!俺の可愛いアルが襲われる!あいつはまだ弱くて小さいはずなのに!」

自称ヒーローの自称兄であり、紳士である彼は、急いで家を飛び出しました。





ぐあああああああ!!!!!

悲痛な叫び声が聞こえ、アーサーの頬には汗が伝いました。

早く、早く、助けに行かなければ!
アーサーは走った。走って、走って、声のした方へと走り続けました。

―――かさかさ

アーサーの体力に底が見えてきた頃、草村で何かが動く音が聞こえ、急いで草をかきわけ、中を覗き込みました。

「ちょっ、死んじゃう死んじゃう!お兄さんの息子使い物にならなくなっちゃう!あっ、でも少しいいかも」

仰向けに寝そべり、ほんのり顔を赤らめる狼のアソコを躊躇なく踏み付けていたのは、ずっと探していた赤ずきんでありました。

「…っぐ…何故俺がつけてるのがわかっ…た」

フランシスの問いにアルは無邪気に笑って答えました。

「だって君、後ろでハアハアうるさいんだよ!それと変態臭、い!」

止めをさすように振り下ろされたアルの足は、ズレることなくフランシスの股間にクリーンヒットしました。

「      !!!!!」

アーサーは同じ男として、フランシスが受けた痛みのことを考えると胸がはちきれそうになりました。

「それじゃあ俺はもういくからね!」

泡を吹くフランシスをよそにアルは無邪気な笑顔を残して去っていきました。

残されたアーサーはフランシスを慰めることにしましたとさ。

めでたし、めでたし








おまけ



「あら?アルさん遅かったですね」

「ああ、途中で変態二人に会ってね」

「二人?この近くの森には変態狼が出ると聞きますが、確か一人ではなかったですか?」

「YES!狼は一人さ!もう一人は…―俺の…―」

「………?」

「菊、そういえばケーキ持ってきたんだ!一緒に食べないかい?」

「善処します」







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