サスケ反抗期 多分現パロ 好き嫌いは駄目だとか部屋の掃除をしろだとか制服は脱いだらすぐにハンガーにかけろだとか聞き飽きた小言は苛々の対象になる。わかってる。後でやる。今からやろうと思ってた。呪文のように何度も吐き出されたソレは言葉そのものの意味をなさない。なぜなら結局やる気がないからだ。 ―宿題をしなさい。 このテレビを見終わったら。 ―風呂に入りなさい。 この漫画を読み終わったら。 ―早く寝なさい。 このメールを送ったら。 "どうして言うことを聞かないんだ" "やらないとは言ってないだろう" 日常の一部になりつつある口論。五月蝿い。言われなくたってやるつもりだった。指図されたくない。苛々する。嫌い嫌い嫌い。 ―――――嫌い そう言ってやれば、驚いたようにこちらを見た後、傷付いたような泣きそうな顔をして顔を歪ませた。ちがう。そんな顔が見たかったわけじゃない。そんな顔させたかったわけじゃない。 けれど。ごめんが口から出てくることは決してない。開きかけた車はくだらないプライドによって再び閉ざされてしまう。結局だれも居なくなった部屋で一人ベッドにうずくまって悔し泣きをするのだ。ぽたぽたと落ちる雫はシーツにしみをつくる。泣き虫なところは変わらないのに、兄との距離は今はこんなにも開けている。悔しくて情けなくてその場にあった漫画を壁へと投げつけた。がしゃんっと思ったより大きな音が聞こえたことに驚きはっと漫画を投げつけた方を見れば、兄に昔貰った目覚まし時計が床に俯せに落ちていた。近寄って拾いあげれば元々動かなくなっていたそれにはひびが入っていた。今の兄との関係のようだと他人事のように思った。 |