嫌いじゃないけど嫌なものは嫌なんだよ【N/忍/大蛇丸+カブト+サスケ/完】 | ナノ



大蛇丸がサスケ君の義母(父)だったら



*簡単な説明*

サスケ君 10歳
┗幼い頃施設から大蛇丸に引き取られた

大蛇丸 年齢不明
┗オカマ

カブトさん 16歳
┗パシリメガネ







Are You ok?




いじゃないけどなものはなんだよ


「サスケ君、学校からの手紙は?」

大蛇丸は彼女(彼)特有のガラガラ声で、サスケに尋ねた。
サスケの肩はあからさまにびくりっと跳ねたが、それでも平常心は崩さないようにと最近習得したお得意のポーカーフェイスを取り繕って答えた。


「ない」
「あら、嘘はよくないわよ」


間髪入れずにそう言われ、サスケはがっくりと肩を落とした。折角のポーカーフェイスも大蛇丸の前では意味を成さない。とゆーか答えるまで大分間があったのだから、何かあることは一目瞭然であった。
サスケは何とかごまかせないかと思案し、大蛇丸に効果絶大のスキルを発動することにした。


「…ないもん!」
「…っ…かわいこぶったって無駄よ!私は騙されな…ああもう可愛いわね!ちょっとそんなうるうるした瞳で私を見ないで頂戴!あん、やだ絆されちゃいそう。駄目よサスケ君、頬膨らますなんて反則じゃない。そのむちむちの頬にかぶりつきたくなっちゃうわああああ!もう可愛んだから!ほら、お菓子あげ「大蛇丸様、騙されてます」あら、カブト」
「………チッ…メガネが」
「サスケ君、聞こえてるんだけど糞餓鬼」


後一押しだったのに、とやるせない気持ちでサスケはぷいっとそっぽを向いた。そんなサスケを見て、遅れて登場したカブトは「あとはお任せを」と丸眼鏡をいっちょ前にくいっと指の腹で押し上げた。


「サスケ君。学校からの手紙出しなさい」
「や、だ!」
「手紙っていうのは学校と親とのコミュニケーションの一環なんだよ。サスケ君が学校で何してるだとか、サスケ君のことが心配だから学校のことをもっと知りたいんだよ。そう、全てはサスケ君を思ってのこと。なのに君はどうして出せないのかな?理由があるのかい?なら話してくれなきゃ分から―」


どすっ


カブトが全てを言い終える前に、サスケがカブトを押し倒さんばかりの勢いで腰に抱き着いてきた。
そこにどんな策略があるのか、とカブトは一瞬考えたが、ふるふると震えた肩を見る限りどうも演技ではないらしい。こいつはほんとに何かあったかとその場にいた大蛇丸とカブトは若干の不安を抱いた。


「サスケ君」
「やだやだやだ!やだったらやだ!」
「一体どうしたんだい…」
「…うー…やだっ」


ぎゅうぎゅうと抱き着いて離れないサスケをカブトは困ったように眉を下げて頭を撫でた。少なからず、このあと大蛇丸にいびられるのを覚悟して。

もういいよ、そんなに出したくない手紙なら出さなくてもいいよ。と言ってあげたいが、それは出来ない。小学生の保護者として、きちんと任務を遂行しなければならない。カブトは撫でる手は止めずに、口調だけ少し強めた。


「……サスケ君、」
「……やだ」
「…サスケ君」
「…やだあ」
「サスケ君」
「……うぅ…分かった」


じゃあ、カブトにだけ見せる。
そう言ってサスケは、カブトから離れると、彼の服の裾を掴んでこっちこっちとランドセルの置いてある場所へと案内した。

大蛇丸の視線が痛い。


「あのね、大蛇丸には言わないでね」
「……内容によるかな」
「やだ!言わないで!」
「あーもう。分かったよ、言わないから」
「絶対だからな!」
「はいはい」


もちろん言うけど。と心の中でだけ言ってカブトは、ファイルから現れた一枚の紙に目を通した。
その手紙とは





参観日のお知らせ





であった。


「…………」
「言わないでね?」
「サスケ君」
「………カブト?」
「…………」


気持ちはわかるけども!とカブトは叫びたくなった。
確かにあんなオカマまがいのやつが参観日に来るのは嫌だ。からかわれることは目見えている。たくさんの保護者がいるなかで「ふふ、あらあの子素敵じゃない。いい足だわ。あの頬たまらない!でもやっぱりサスケ君が一番美味しそうだわ」なんて言われたら大問題だ。

サスケ君の為を思ってこのまま見過ごすか
はたまた
大蛇丸様の為に参観日があると報告するか


サスケの潤んだ瞳と、大蛇丸の嫉妬の視線との間に挟まれたカブトは、頭を痛ませるのであった。





おわれ
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