※サスケ→ナルト(?) 「じゃあなっ!また明日」 そう言ってお前は人の良い笑顔を浮かべる。惜しみなく手を振って、人懐っこく笑って。 ────あ、くる。 「はぁ……」 先まで、楽しげに笑ってた顔を一変さして、急に無表情になり、溜息をつくんだ。そんなもの、俺だってつきたい。俺だってお前と帰りたくて帰ってる訳じゃない。 学校の帰り道、数人で帰ってる俺等は、途中の分かれ道で、ナルトと二人っきりになってしまう。 それまでくだらない話を、無理矢理にでも話題をつくって話ていたナルトが俺と二人っきりになった途端だんまりになる。だるそうに息をはいて、早く家に帰りたいとでも言うように足を速めて。 分かってる。俺等は先までの奴等と違って、小さい頃からの付き合いだ。無理して笑顔を造って、くだらない話をわざわざする必要などない。気をつかう必要はない。それは、きっと、心地の良いものなのだろうけど、ナルトと俺のコレは違う。気まずい。息苦しさに、押し潰されてしまいそうだ。 俺等は近すぎて、ギリギリのラインを越えてしまったんだ。 これなら、話したこともないクラスメートの方が親しいかもしれない。 俺は、お前のなんだ? こちらを見向きもせず、さっさと歩いていくお前の背中を追い掛ける俺はどうすればいい? 「じゃあな、サスケ」 いつのまにかナルトとの分かれ道で、俺ははっとして顔をあげたが、ナルトは既に背を向けて歩きだしていた。 あんな冷めた声、聞きたくなかった。 笑顔もない表情で、見て欲しくなかった。 さよならの挨拶もなしに、また明日の挨拶もなしに、別れたくなかった。 いつからこうなった? どこで踏み越えてしまった? どうしたらいい?どうしたら元に戻れる?近寄りすぎて、いつの間にか擦れ違ってしまった俺等はきっと友達以下だ。 胸が痛くて、目尻が熱くて、苦しくて、苦しくて、耐えるように拳を握りしめたら、ぽたりと地面に雫が落ちた。 苦しいよ、ナルト こんなに苦しいなら、他人に戻りたい。 境界線はどこにあった? ─PS. 近すぎて、擦れ違う。みたいなの書きたくて(意味分からん サスケの片思いみたい(多分そう |