Please be in by the side.【N/忍/ナルサス/完】 | ナノ
Please be in by the side.



現パロ 大学生×高校生
付き合っています。
サスケ→ナルト強め
ツン、クール、男前なサスケ好き様は閲覧注意(=つまりキャラ崩壊










普段なら絶対しないような、むしろ邪険にさえしている、俗に言う貧乏ゆすりをサスケは繰り返していた。

不機嫌丸出しの表情を隠そうともせず、綺麗な顔を見事に歪め、時折チ、舌打ちをする。

サスケの体からは明らかに黒いオーラが滲み出ているのだが、そのすぐ横ではピンクのオーラが漂っていた。


「キャハハハハ!」


耳に響く甲高い声は確かにサスケの苛々の原因で。サスケは頬杖をついてない方の手でテーブルに爪をたてた。
別に女子大生の笑い声に腹をたてているわけではない。そりゃあ頭に響く笑い声は苦手だが、そんなことで此処まで不機嫌に成る程サスケの心は狭くない。


が、空気は読んで欲しいもので…


「ナルトォ、アンタ最近付き合い悪いわよー?」
「そうよ。昨日の飲み会だって来なかったでしょ?ナルトと飲むの楽しみにしてたのになぁ」




此処はナルトの通う大学。サスケはナルトに会う為、足しげく此処に通っていた。時間が有れば会いに来るサスケに苦笑を漏らしつつも、それを愛おしくも思うナルトは、どんなに忙しい時でも成るべくサスケを傍に置いていた。

そして、今日。土曜日で高校が休みのサスケは日課ともなっているナルトの大学へと足を運んでいた。
人目につかないところで、ぎゅ、と抱き着いて、ちゅ、と唇を合わせて、満足したところでお昼時だったこともあって二人して食堂に向かった。そこに居たのが、この憎たらしい女達(サスケ説)だったのだ。

折角ナルトと二人で食事をしていたのに、急に現れたこの二人の女は、ナルトの意識をサスケから自分達へと逸らさしたのだ。
それからサスケはずっと放置。とっくに食べ終わった食堂のカレーはむなしく、ぽつんと空の皿だけがテーブルに置かれていた。




「あー悪ぃ。俺ってば暇じゃねぇから!」


ニシシと笑うナルトの幼さの残る顔に、ナルトを囲む二人の女は愛おしそうに目を細めた。

イラッ

サスケは口内の内肉に血が出ない程度に歯をたてた。

その言い方だと私達が暇人みたいじゃない。と怒ったような口調とは裏腹にクスクスと笑う女に嫌悪を抱く。
実際にそうだろ、暇人共が。とサスケは心中で悪態をつく。その後に、ナルトは昨日俺の部屋に居たんだよ、ざまあみろ。と厭味ったらしい自慢の一つも付け加えて。


「ねぇナルトォ、」


嗚呼、そんな甘ったれた耳障りな声で俺のナルトの名を呼ぶな。


「また明後日に飲み会があるの。それには来るよね?」


そんな手で、薄気味悪い笑顔を浮かべて、ナルトに触るな。


「私、ナルト居ないとつまんないなぁ。結構ナルトのこと……好きなんだけどな」


ブチッ――――


「ナルトッ…!」


思わず声を荒げたサスケは、ナルトの襟首を掴むや否や、自身の方に向かせると噛み付くように唇を奪った。
二人の女は驚いたように目を丸くしており、サスケはナルトから唇を離すとニヤリと勝ち誇った顔で笑ってみせた。
な……、と顔を真っ赤にした女の瞳には明らかに嫉妬の色が見え隠れしており、それさえも愉快でサスケは見せ付けるように、今度はナルトの頬にキスを落とした。


「……〜〜〜行こっ!」


その場にいるのが耐え切れなくなったのか、ナルトに好意を寄せているであろう女は友達の女を連れて、食堂からでていってしまった。
その背中を見送りながら、サスケは満足そうに目を細めた。


「サスケ………」


隣から聞こえた低い声に、サスケの肩はびくりと跳ね上がった。嗚呼、忘れてた。先程までの愉快気な表情とは一辺して、サスケの表情はみるみるうちに悪戯をして親に怒られた子供のようなものになっていく。



最悪だ。やっちまった。あれほどナルトに人前でキスとかハグとかしちゃ駄目だって注意されてたのに、やっちまった。ついカッとなったとはいえ、あれはまずかった。最悪最悪最悪。嫌われた。ナルトに嫌われた。あんなに注意されてたのに。言うことも聞けない餓鬼だと思ったに違いない。あんなことぐらいでヤキモチ妬いて、鬱陶しがられたに違いない。ナルトは、俺を、嫌いに、なったに、違いない。最悪最悪さいあくさいあくさいあ……



いつの間にかサスケの瞳には零れんばかりの涙が溢れており、瞳にとどまりきれなかった涙がぽろぽろと下へ落ちている。落ちた涙はサスケの服を濡らして、染みをつくっていく。ふるふると肩を震わすサスケは捨てられた猫のようにもろくて、はかない。う、う、と我慢できずに漏れた声が痛ましくて、ナルトは困ったように苦笑した。きっと心配させてしまったのだろう。それに、寂しい思いもさしたはずだ。サスケを咎めるつもりはない。


「サスケ」


今度は優しく名を呼んで、落ち着かせるようにそっとサスケの頭を撫でてやる。サスケは涙をたくさん溜めた瞳をナルトに向けると、力無くナルト、と名を呼んだ。
どうしても愛おしくて、ナルトは怒ってないから、という意をこめて微笑んでやれば、サスケがぎゅっと抱き着いてきた。人前だし、皆見てるけど、この可愛い恋人が泣き止むならいいか、とナルトはサスケの髪にキスを落とした。





「ごめんな……ナルト」
「ん。いいってばよ。俺もごめんな?」


すっかり落ち込んでしまったサスケは、ナルトの車の助手席で小さくなって俯いていた。怒ってないと伝えても未だこの調子で、少々腫れてしまった目がまた痛ましい。サスケがこんなだから、車が出せず、さっきからお互いに謝罪の言葉を繰り返している。


「ナル…」
「今日は不安にさしちまってごめんな?でも、あいつ等あんなこと言っても本気じゃないから心配しなくていいんだぞ。それに……俺にはサスケだけだからな」


もう一度謝罪の言葉を口にしようとするサスケの言葉を遮って、ナルトはニコリと微笑む。サスケの瞳は、あれは本気だったぞ、とでも言いたげだったが、その後の台詞にやられたのか、顔をほんのり赤くそめていた。機嫌が直ったようだと安堵したナルトは、仲直りな。と言ってサスケの目尻にキスを落とした。まるで腫れた目を癒すかのような、優しい優しいキス。


「ナルト」
「ん?」
「好き」
「知ってる」


どちらからともなく、笑い出す二人は幸せそのもので、昼間のことなどなかったかのように、唇を重ねていた。






ついでに、補足として。ナルトはサスケとのことを周りに隠そうとしていたのだが、ナルトの頑張りも虚しく、キスやハグはせずとも普段の二人のイチャつきっぷりは有名なもので、とっくの昔に周りにバレていた。

それをナルトが知るのに、そう時間はかからないのであった。








―PS

反省も後悔もしておりませぬ。

この大学生×高校生シリーズの目的は『デレデレサスケ』です。
当サイトのサスケは子供じゃないと、素直じゃないしデレないしで、もっと甘々が書きたい!と思いこのシリーズを考えました。
見事にキャラ崩壊ww予想はしていたが
どうでしょう…?(どうて
誰かお一人でも気に入って頂けたなら管理人は満足です!
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