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隣同士がいちばん自然



消毒液独特のツンとしたにおいが鼻につく。白い綿に赤黒い血が染み込むと同時に、傷口に消毒液が染み、ちりりとした痛みに顔をしかめた。
こんがりと健康的に焼けたナルトの肌に白いサスケの手は対照的でよく映えて見えた。
痛む度に眉をぴくぴく動かすナルトを嘲笑するかのようにサスケは鼻を鳴らした。

「だから無茶すんなっつったろ」
「してねぇもん」
「もんじゃねぇんだよ、もんじゃ…」

彼女の顔から表情が消え、包帯を巻く手に力が入った。力を入れられた分傷口が痛んだが、ナルトは何も言わなかった。言えなかった。表情を消した彼女の顔が今にも泣きそうに見えたから。
大した傷ではないのに何がそんなに心配なのだろう。
傷を負ったのはナルトのはずなのに、サスケの方がよっぽど苦しそうに見えた。

それこそ容易な任務だった。何処の国かの偉いお姫様が何でも山頂にしかない珍しい花が見てみたいとかで皆で山登りをするというようなもので、詰まる詰まらないと文句を垂れながら取り掛かったはいいものの、気の緩みから足を滑らし崖から落ちた。運よく下までの距離は短く骨を折らずに済んだわけだが、岩の角で滑らしたのか、腕がぱっくり割れていた。やっちまったとへらへら笑った視界に飛び込んできたのは、安堵したような苦しそうな複雑なサスケの顔だった。

「…い、おい、ナルト。聞いてんのか」
「え?」
「……はぁ」

盛大に溜息をはかれ、苦い笑いを思わず漏らしたナルトが、視線を下ろすとそこには綺麗に包帯が巻き終えられていた。

「あぁ、終わったのか。サンキューな」
「…死ぬぞ」
「は?」
「次は死ぬ」

急に物騒なことを抜かすサスケに間抜けな顔で答えたナルトは真意を探るように目を細めた。

「大丈夫だってこんくれぇの」
「こんくれぇのくだんねぇ任務で傷負うようじゃ、もっと厳しい任務の時には死ぬっつってんだよ!」
「……」
「油断…すんじゃねぇよ。今日だってもしかしたら…」

知らず腕が伸びサスケを抱きしめていた。柔らかな彼女の体が弱々しくて、あぁ女の子なんだな。と改めて実感させられた。サスケは否定するも肯定するもしない。ただ突き飛ばされないだけ拒絶はされていないらしかった。

「死なない。俺は死なない」
「嘘だ」
「本当だってばよ。俺は死んだりしない」
「どうしてそんなことが言える」
「サスケや皆がいる限り死なないから」
「………」

訳わかんねぇ
そう言ったサスケの表情は見えなかったが、きっと笑って居ただろう。
ふと視線をおろすと、ちょうど顔を上げたらしいサスケとばっちりと目が合う。しばらく―といってもつかの間のことだが―目を合わせていた二人は急に気恥ずかしくなり咄嗟に体を離した。

「…は、早くカカシらんとこ戻るぞ」
「お、おうっ」

しどろもどろとした様子の二人は微妙な空気のまま、カカシとサクラの待つ場所へと向かった。


隣同士がいちばん自然
(正面はまだまだ気恥ずかしい)





―PS,
わっほーい^P^
ほのぼのしてナァーイ
女の子にする需要ナァーイ
よく分からナァーイ
大変申し訳ないです。こんなんでよけりゃ貰ってやって下さい。
リクエスト、ありがとうございました!


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