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「ふ、っン・・・はァッ・・・」
「こいつは俺のだ。手出すんじゃねェぞ」
狼は俺から唇を離すと、会長だけでなくここにいる生徒全員に向かってそう言った。
「ん、・・・ちょ、狼、!」
「行くぞ」
みんなが呆気に取られているのをいいことに、狼は腰が抜けてしまっている俺を抱き上げて食堂を後にした。
「・・・狼、まじで何考えてんのぉ」
「ムカつくんだよあのバ会長」
「だからってあそこで俺にキスすんのは違うでしょ。俺等付き合ってると思われるじゃんかぁ」
「いいじゃねェかそれで」
俺は狼に担がれたまましゃべってんだけど、狼なんでこんなに余裕なわけ?俺そんなに重くないからね?
「・・・あー、宿泊行事憂鬱だなぁ」
「サボればいいだろ」
「無理に決まってるでしょ。俺生徒会なんだよぉ?」
つか、狼サボる気?えー、狼いないと俺つまんないじゃん。会長たちと一緒にいるのやなんだけどなぁ・・・
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