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楠木くんの恋人騒動のあと、俺たちはお腹がすいたということで食堂に来ていた。
もちろん、アイや頼とも食堂で待ち合わせしている。
「・・・またなの、?」
狼と蓮とともにアイたちが既に取ってくれていた席に向かうと、そこには当たり前というように会長と副会長が座っていた。
「二人ともさぁ、役員の席で食べなよぉ。目立つんだからさぁ」
「それをいうなら伊織もでしょう?」
「俺はいいのぉ。みんなもう慣れてるからぁ」
呆れたようにそう言った俺に反論してきたのは副会長。
会長はずっと俺の後ろにいる狼と睨みあっている。
「あー、もう。めんどくさいなぁ」
あの一緒にご飯を食べた日から、会長も副会長もなぜか一緒にご飯を食べるようになった。
そして、会長はいつも狼とこのように睨みあいをしているのだ。
「伊織」
「なにぃ、んっ、!・・・っふ、あっ、」
諦めて椅子に座ろうかとしていると、いきなり狼に名前を呼ばれて振り向いた瞬間にキスをされた。深い方を。
「ろ、う、ンっ・・・やァっ・・・ふぅン、・・・」
場所が場所なので抵抗しようと狼の胸板を押すが、その手を狼に掴まれて抵抗もできず俺はされるがままだった。
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