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「ろーう」
「おう、来たか」
生徒会室を出た俺は狼がいるFクラスに来ていた。
狼は俺が来たのに気づくと、携帯を弄っていた手を止めて俺に手招きした。
「あ、姫さん!」
「また来てくれたんっすね!」
「相変わらず可愛いっすね」
俺が教室に現れると、Fクラスの生徒たちが嬉しそうにそれぞれ俺に話しかけてきた。
「久しぶりぃ」
俺がへらりと笑って手を降ると、みんなは顔を真っ赤にさせていた。
「おら、愛想振り撒いてんじゃねぇよ」
「おわっ、・・・なにぃ?嫉妬ぉ?」
「悪いか馬鹿」
いつまでも俺が自分のもとに来ないことに苛立ったのか、狼は自分から俺のところにやって来て俺を担ぎ上げた。
「伊織ちゃん、おはよう」
「あ、蓮。おはよー」
俺は先程狼がいた窓際の端の席につれてかされ、狼の膝の上に強制的に座らされた。
特に気にすることなく前にいる蓮が俺に向かって挨拶をしてきたので、俺もあいつを返した。
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