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「待てよ!」


だが、マリモくんに腕を掴まれてしまい、俺の生徒会室を出るという行動は達成できなかった。


「なぁに?」

「颯が俺との約束置いてまで仕事してんだぞ!伊織もちゃんと仕事しろよ!」

「だからぁ、寮でやるのぉ。ここうるさいんだもん」

「みんな仕事するためにここにいてるのにうるさいとか言うなよ!」

「もう、めんどくさいなぁ・・・」


どうやらマリモは「うるさい」という言葉が自分に向けられているんだと気づいていないらしい。

俺がついつい吐き出してしまった言葉にマリモは過剰に反応した。


「めんどくさいってなんだよ!!俺はお前のためを思って言ってるんだろ!!」

「っちょ、痛いんだけどぉ・・・」

「俺の話を聞けよ!!伊織がそんなだからみんなに嫌われてんだぞ!!」

「・・・は?」


マリモの腕を掴む力があまりにも強いもんだからどうにか離そうとしている俺にマリモはそんなことを言った。


「伊織は顔はいいんだからもっと性格もよくしろよ!そしたら俺みたいにみんなに好かれるようになるぞ!」

「・・・え、」

「あ、もしかして自分が嫌われてるって知らなかったのか!?よかったな俺に教えてもらえて!」

「・・・あ、うん。そうだねぇ、ありがとう」

「おう!これからも俺の話ちゃんと聞けよ!」



最後にマリモがなにか言っていたが、俺はそれを最後まで聞かずにフラフラとした足取りで生徒会室を出た。



 


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