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「颯!こんなところにいたのか!」
あれから、以前のようにみんなで黙々と仕事をしていると、マリモくんが生徒会室に勢いよく入ってきた。
「・・・美空」
「今日は俺とDVD見る約束だっただろ!」
「すみません。生徒会の仕事をしないといけませんのでそれが終わるまで待っててください」
俺はてっきり副会長がそのままマリモと行ってしまうのではないかと思っていたため、副会長がマリモの誘いを断ったことに驚いた。
「なんでだよ!俺より仕事が大事なのか!?」
「仕事を放って遊ぶわけにはいきませんからね」
「っ、じゃあ俺もここで待ってる!」
副会長の言葉に一瞬泣きそうになったマリモはそう言うと来客用のソファーにドカッと座った。
「あのさぁ、」
「あ!伊織!いるんだったらお茶くらい淹れろよ!俺は客だぞ!」
「ここは部外者立ち入り禁止だよぉ」と言おうとしたが、それは見事にマリモによって遮られてしまった。
ていうかぁ、こんな図々しいお客いらないんだけどぉ・・・
「・・・俺、帰るねぇ」
「えっ?いおっ!」
マリモの言葉に不快感を感じたがそれを一切顔に出さず、俺は数枚の書類を鞄に詰めて生徒会室を出ようと立ち上がった。
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