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「あれ、榎並くん。何か用事?」
風紀室から出ると丁度やって来た風紀副委員長の楠木くんと鉢合わせた。
「楠木くん、なんでもっと早く来てくれなかったのさぁ・・・」
「もしかして、また委員長が迷惑かけた?」
「・・・俺、ほんとあの人苦手だよぉ」
「ごめんね」
楠木くんは風紀の癒し。てか、俺の癒し。萩岡先輩も楠木くんがいれば大人しいんだよね。
楠木くんはまるで子供にやるように俺の頭をポンポンと撫でると、俺の手に可愛い袋に包まれたあめ玉を置いて風紀室に入っていった。
「・・・ん・・・いちごあじ、」
俺はそのあめ玉を口に放り込み、気を取り直して生徒会室に戻った。
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