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「失礼しまぁす」
風紀室の扉をノックして扉を開けると、中にいた風紀の生徒が俺を見た。
「なんや、榎並ちゃんか。どないしたんや?」
「書類、届けに来たんですよぉ」
すると、一番奥の席に座っていた萩岡先輩が俺に気づき、席を立って近づいてきた。
俺は長居する気はなく、さっさと書類を渡して帰ってしまおうと萩岡先輩に書類を差し出した。
「待ちや。お茶くらいして行きや」
さっさと風紀室を後にしようと立ち去ろうとしたが、萩岡先輩に腕を掴まれて止められた。
「まだ仕事残ってるんで遠慮しまぁす」
「如月も仕事してるんやろ?ちょっとくらいええんとちゃうん?」
「・・・さすが委員長様は何でも知ってるんですねぇ」
「そりゃ、それくらいできな委員長なんかやってられへんわ」
萩岡先輩に口で勝てる気がせず、俺は入れていた体の力を抜いた。それと同時に萩岡先輩も俺の手を掴んでいた腕の力を抜いたので俺は来客用の椅子に座った。
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