17
狼の牽制が利いたらしく不良たちの中で『俺は狼のモノ』という方程式ができたらしい。
不良たちは最初のように厭らしい感じで俺を見てくるようなことはなくなり、代わりにまるで幼い子どもを相手しているかのように接してきた。
「姫さん、お菓子食うっすか?」
「え、いいの?ありがとぉ」
「これ、よかったら飲んでください」
「あ、ありがとぉ」
みんながお菓子やらジュースやらをくれるもんだから、俺の目の前の机にはお菓子とジュースの山ができている。
「・・・あ、狼。俺、そろそろ生徒会行かなきゃ」
「あ?んなもん、行く必要ねェだろ」
「行かなきゃだめなんだってばぁ。仕事があるのー」
ふと、時計を見ると最後の授業が終わる時間になっていた。
てか、ここのクラス先生来てないけどいいの?
「しゃあねぇな・・・」
「ちょっ・・・、ンっ、」
「マーキング完了」
狼はしぶしぶといったような顔をすると、ゆっくりと俺の首筋に顔を近づけてきて吸い付いた。確実に痕を付けられたのだろう・・・
「こんなとこにしたら隠せないじゃんかぁ!」
「隠す必要ねェだろ。会長の阿呆に俺のモンだって示しとかねぇとな」
「狼のモノになった覚えないんだけどぉ」
「いいんだよ。いずれなるから」
「ならないしぃ」
どうやらこの男はとことん会長が嫌いらしい。まあ、仕方ないとは思うけどそこまで敵視しなくてもいいと思うんだよね
[ 66/157 ]
[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]
top