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「ひぃさんは荒木さんと付き合ってんすか?」
「つか、マジ綺麗っすね。荒木さんが惚れるのもわかります」
「生徒会って気にくわねぇけど、ひぃさんなら大丈夫だわ」
あれから、俺は自分の教室に帰るでもなく、何故か窓際の一番後ろの席に座っている狼の膝の上に座らされて、不良たちから質問攻めにされている。
「ええっと・・・ありがとぉ?」
とりあえず、狼と付き合ってる云々にたいしてはノーコメントでその後の言葉には笑ってお礼を言っておいた。
すると、何故か不良たちが騒ぎだし顔を赤くして教室を出ていった人もいた。
「他の男に笑ってんじゃねェよ」
「うわぁっ、!何すんのさぁ」
「伊織ちゃんの可愛い笑顔を独り占めしついんだよね」
「うるせェ」
後ろに座っていた狼に何故か手で顔を覆われ驚いていると、隣にいるであろう蓮の楽しそうな声が聞こえた。
「ちっ・・・伊織」
「ん?っ、ふぁっ・・・やぁ、ン・・・」
狼に顔を覆われたままよくわからないでいると、いきなり狼に名前を呼ばれて振り返ったところで狼に唇を塞がれた。もちろん、唇で。
「っン、・・・ろお、んっ・・・やァっ、!」
「・・・こいつは俺のモンだ。わかったな、てめぇら」
「はっ、ぁ・・・ろー、のばかぁ、」
たっぷり俺の咥内を堪能して唇を離したあと、狼はFクラスの不良たちを牽制するようにそう言った。
「いやいや、逆効果でしょ」
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