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「何だ!?」
「こいつ、生徒会の会計じゃね?」
「あのお姫さまとか言われてる奴かよ」
「確かにめっちゃ顔綺麗じゃね?」


突然教室に入ってきた俺を中にいた連中は驚いたような顔で見ていて、俺はすぐにFクラスの生徒たちに囲まれた。


「ううっ・・・ろー、」

「何してんだ馬鹿」


いくら狼と一緒にいるといっても、不良たちに囲まれれば怖いわけでして・・・俺が小さく狼の名前を呟くと、それを聞いていたのかタイミングよく狼が俺を不良たちの中から抱き上げた。


「狼、!」

「こんなとこに来てんじゃねぇよ、阿呆か」

「だって、蓮がぁ」

「蓮の暇潰しに振り回されんな」


狼は泣きそうになっている俺を呆れたように見て、軽く俺の頭を叩いた。


「蓮、伊織をこんなとこまで連れて来てんじゃねぇよ」

「僕はただ狼の機嫌を直してもらおうと思っただけだよ」

「嘘ついてんじゃねェよ。伊織で遊びたかっただけだろ」


狼が名前を呼ぶと、蓮は楽しそうな笑みを浮かべて狼の隣にやってきた。



 


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