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「ここって、・・・」
「うん。Fクラスの教室だよ」
蓮について歩いていると、着いたのは俺のクラスの教室とはまったく違い不思議な威圧感のある教室だった。
「狼は・・・あ、いたよ。あそこ」
「・・・うわあ、」
蓮に言われて教室の入り口から中を覗くと、窓際の一番後ろの特等席で机に足を乗せて座っている狼がいた。
狼の周りに人が一切いないのは、狼が不機嫌オーラを纏っているからだろう。
「俺、帰ろっかなぁ・・・」
「だめだよ。ほら、行っておいで」
「うわあっ、!?」
そんな狼を見て逃げ腰になった俺の背中を蓮が遠慮なく押してきたため、俺はいきおいよくFクラスの教室に足を踏み入れた。
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