12
「はぁあっ・・・」
いつもの空き教室に入ると、アイは俺の手を握ったままその場に座り込んだ。俺もつられるようにアイの隣に座った。
「・・・アイ?」
「伊織の馬鹿!なんで反論しないの!」
「ごめんね・・・ありがとう」
「っ、おかげで僕の本性バレちゃったでしょ!」
「うん、ありがとう」
アイは俺なんかよりも泣いてしまいそうで、俺はそんなアイを抱き締めた。
「伊織の、馬鹿っ・・・!」
「うん。アイの言葉嬉しかったよ」
「僕、絶対伊織の親友やめないからね・・・!」
「俺もだよ」
アイはいつも俺のほしい言葉をくれる。いつだってどんなときだって。そんなアイに俺は昔から救われているわけで・・・どっちかというと俺がアイの親衛隊になりたいくらいだよ。
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