「榎並様！」

「あ、アイちゃぁん」


どうやってマリモくんを回避しようかと悩んでいると、親衛隊モードのアイちゃんがやって来た。
アイちゃんは俺たちに近づいてくると、俺からマリモくんを引き離してマリモくんに掴みかかった。


「室井くん、榎並様は君何かが近づいていい存在じゃないの！わかる？これ以上榎並様に近づいたら僕容赦しないよ！？」


わーお、アイちゃんおっとこまえー


「何でだよ！！お前等親衛隊がそんなだから伊織や臣たちに友達ができないんだ！！だから俺がこいつらの友達になってやるんだ！」

「そんなの榎並様は望んでないんだよ！」

「なんでそんなことがわかるんだよ！！」

「わかるに決まってるだろ！伊織の親友は僕だ！お前なんかに伊織を渡すか馬鹿！」


黙って二人の口喧嘩を聞いていたのだが、だんだんとアイちゃんの口調が崩れてきた。アイちゃんったら素が出ちゃってるしぃ


「どうすんだよ、あれ」

「いやぁ、俺ってば愛されちゃってるなぁ」

「阿呆か。早く浪川止めろ」

「はぁい、」


狼に怒られ、俺はしぶしぶアイちゃんたちの方に近づいた。


「アーイちゃーん。俺のために争わないでぇ」

「何言ってんの！もともとは伊織が悪いんだろ馬鹿！」

「ひどぉい。アイちゃん口悪いよぉ」

「はぁ･･･冗談もそれくらいにして。そろそろ戻るよ」


俺の態度に呆れたのかアイちゃんはため息をつくと俺の頭をペシッと叩いて俺の手を引いて歩き出した。



　

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