26
「伊織ちゃん?どうしたの?」
生徒会室から出ておもむろに走っていた俺は、屋上に来ていた。
バァンッと扉を開けると、そこには驚いた顔をしている蓮と狼がいた。
「あ、・・・狼、」
「どうした?あの糞野郎になんかされたのか?」
狼は吸っていたタバコを足で消すと、ゆっくりと俺に近づいてきてそう言った。
「いや、・・・ちょっと外の空気吸いたくてねぇ」
俺はすぐにいつもの笑顔に変えて、誤魔化してそう言った。
まあ狼は信じてないらしく、俺のことを怪訝そうに見てたけどね。
「伊織ちゃんもこっちおいでよ」
「んー、じゃあお邪魔しようかなー」
蓮にそう言われ、俺は蓮と狼の間に腰を下ろした。
「伊織、夜は一緒に飯食うぞ」
「ん、わかってるよ。さっきはごめんねぇ」
「いい。気にすんな」
俺がさっきの食堂でのことを謝ると、狼はそう言って俺の頭をワシャワシャと撫でた。
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