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「伊織、ちょっといいか?」
生徒会室に戻って仕事をしていると、いきなり会長に呼ばれ、俺は生徒会室に隣接している仮眠室に入った。
「どうしたのー?」
「お前、荒木と付き合ってるのか?」
「え?」
中に入っていつものようにそう言うと、会長は怖い顔で俺にそう聞いてきた。
「お前は俺のことなんか好きじゃなかったんだな」
「え、ちょっと待ってよかいちょー。先にあのマリモのところに行ったのはかいちょーでしょ?」
俺は理不尽な会長の言葉にムッとして、いつもより冷たくそう言ってしまった。
すると、それが会長の気に触ったのか、会長は俺を壁に押し付けてきた。
「いっ、・・・かいちょー、?」
「お前は・・・、俺が美空にキスしても怒らなかったじゃねぇか!」
「・・・何それぇ。かいちょー、自分勝手にもほどがあるんじゃないの、」
「ちっ・・・」
会長は俺の言葉に苛立ったのか、舌打ちをすると俺に噛みつくようにキスをしてきた。
「ふっ、ン・・・や、あん、!」
「・・・伊織、俺だけを見てろよ」
「んうっ、・・・かい、ちょ・・・やめて、!」
会長の唇から逃れようと抵抗し、一瞬の隙をついて会長の胸板を押して自分から引き離した。
「っ、なにさ!かいちょーのばか!かいちょーがマリモにキスしてて、俺がなんとも思わないと思ってたの!?かいちょーなんか大きらい!」
俺は言いたいことを言うと、会長をそのまま放置して生徒会室を出た。
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